ざっざっざっ
|
北小岩 |
「かなり歩きましたね」
|
小林 |
「そやな」
|
北小岩 |
「意味もなく北へ北へと向かう旅、
旅情がございます」
|
小林 |
「まあな」
|
北小岩 |
「ところでわたくし、
小便意をもよおしてまいりました」
|
小林 |
「俺もや。
そこの便所によってこか」
|
北小岩 |
「かしこまりました」
|
師弟が中に入ると。
|
小林 |
「ずいぶん広いな」
|
北小岩 |
「そうでございますね」
|
ひゅわ〜ん
|
小林 |
「冷えが厳しいな」
|
北小岩 |
「おちんちんも、
縮みあがりますね」
|
小林 |
「床が凍っとるようや。
これだけ寒いと、
なかなか小便がでんな」
|
北小岩 |
「精神統一が必要ですね」
|
しーん
|
小林 |
「どや」
|
北小岩 |
「ナイヤガラの滝を思い浮かべて
放尿につなげたいと思ったのですが、
凍った滝の映像が脳裏に」
|
小林 |
「それでは無理やな」
|
二人が放尿に至らないその時。
ダダダダダッ
|
小林 |
「なんや!」
|
北小岩 |
「アイスホッケーの
ユニフォームを着た方々が
入っていらっしゃいました」
|
レフェリーがパックを落とし、試合が始まった。
ガシッ バーン ドーン
|
小林 |
「スティックを
振り回しとるから、
危なくてここを離れられん」
|
二人はちんちんを便器に向けたままの
情けない姿で、ぼーっと立っている。
|
北小岩 |
「あっ、
選手が一人、
大便をしに入っていきます」
|
小林 |
「違うな。
奴は反則して、
ペネルティボックス入りに
なったんや」
|
ガッ
ビューン!
|
北小岩 |
「あっ、
こちらにパックが
飛んでまいります!」
|
キーン
|
小林 |
「ううっ!」
|
パックはむきだしになっている
先生のイチモツにめり込んだ。
それにしても、なぜトイレが
ホッケーリンクになっているのかは謎である。 |
|
|