小林 |
「北小岩にとって、
正義の味方とは誰や」
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北小岩 |
「ウルトラマンでございましょうか」
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小林 |
「俺もやな」
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北小岩 |
「ウルトラマンが登場したのは
かなり昔のことですが、
現在はどうなのでございましょうか」
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小林 |
「小耳に挟んだんやがな」
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北小岩 |
「新たなヒーローが
出てきているのでございますか」
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小林 |
「そうらしいな」
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北小岩 |
「ウルトラマン以上の方なので
ございましょうか」
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小林 |
「考えようによっては
そうかもしれんな」
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北小岩 |
「それは楽しみでございます」
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小林 |
「出没する場所は聞いとる。
いってみよか」
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二人は町の繁華街、通称赤貝通りに向かった。
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北小岩 |
「このような町のど真ん中に
出没するのですか」
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小林 |
「まあ、待ってみよか」
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北小岩 |
「あっ、
あそこに気が弱そうな中学生と、
不良がおります」
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小林 |
「あかんな。
気が弱そうなやつが恐喝されとる」
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先生が恐喝をやめさせるべく、
落ちていた枝に犬の糞を刺した。
それを不良に投げつけ、
逃げることで中学生を救うのだ。
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不良 |
「お前、有り金全部だしな」
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中学生 |
「はっ、はい」
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その時。
ぎゅ〜〜〜〜〜ん!
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不良 |
「うお〜〜〜!」
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ヒーロー |
「マンホールマン登場!」
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突然不良がのっていたマンホールが、
円筒形の塔が飛び出すように、
天に向かって屹立したのだ。
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不良 |
「助けてくれ!!」
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ヒーロー |
「弱い者に恐喝するなど
言語道断!」
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不良 |
「早くおろしてください!
金輪際、いたしません!!」
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北小岩 |
「マンホールマン、
かっこいいでございます!」
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今度は、道の向こうで
女子中学生がスケ番にからまれている。
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ヒーロー |
「マンホールマン登場!」
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スケ番 |
「うえ〜〜〜!」
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スケ番はマンホールにのったまま上空へ!
空を見上げたマンホールマンの目が光った。
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ヒーロー |
「パッ、パンティが
見えとるやんけ!
それもかなりきわどいやつや!!」
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マンホールマンの股間が、
思わずもっこりしてしまった。
騒ぎを聞きつけた警官が駆けつけた。
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警官 |
「何をしてるんだ!」
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ヒーロー |
「スケ番が恐喝していたので」
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警官 |
「嘘をつけ!
なんでお前は
きわどいパンティを見ながら、
股間を膨らませているんだ!!
署まできてもらおうか」
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ヒーローは
さらにどやどや駆けつけた警官らによって、
連行されてしまった。
それにしても先生の住む町は、
ヒーローまでがかなりくだらない。 |