KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百四拾八・・・カフェ

ふわ〜ふわ〜〜

くんくん くんくん

小林 「ええ香りがするな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「モカマタリやな」
北小岩 「モッコリマタノアタリ
 でございますか」
小林 「お前はほんとに
 ものを知らんな。
 コーヒーの名前や」
北小岩 「先生がコーヒーを
 お飲みになっているところを
 見たことございませんが、
 よく細かいところまで
 お分かりになりますね」
小林 「昔、隣の家に
 全裸に近い下着をつけとる女が
 住んでてな。
 その部屋ののぞきを
 よくしてたんやが、
 女が飲んでいたのが
 モカマタリだったんや」
北小岩 「なるほど。
 のぞきの映像とともに、
 香りが記憶されたのですね」
小林 「うむ」

ろくな記憶ではない。

小林 「駅の裏手に
 カフェができたらしいな」
北小岩 「そうらしいですね」
小林 「とんでもなく美人の
 マスターらしいな」
北小岩 「オーダーすると
 大変セクシーになると
 聞いております」
小林 「行かないわけには
 いかないやろな」

二人は道に落ちていた犬の糞に顔を近づけ、
もしかしたらそのまま
顔についてしまうのではないかという恐怖を
原動力に、カフェに向かった。

小林 「ここやな。
 オールスタンディングや」
北小岩 「先生、
 壁に貼ってあるメニューが
 変でございます」
客A 「マスター、
 『チンティー』をひとつ」
美人
マスター
「は〜い」

小林 「なんや、
 チンティーというのは」
美人
マスター
「お待ちどうさま」
「ありがとう!」

客がティーカップを持った刹那。

ボスッ

「うう!」

ビシャッ

「あちい!!!
 イチモツが!!」
小林 「見たか!」
北小岩 「はい!確かに」
小林 「金玉を蹴った瞬間
 ミニスカートの奥が見えたが」
北小岩 「ノーパンでございました」
小林 「客はそのオアシスを求め」
北小岩 「甘んじて金玉を砕かれ、
 熱を浴びせかけられるので
 ございます」

チンコーヒー、チンミルク・・・。
男の悲しさ漂う店だが、
どこか憎めないのである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2015-04-05-SUN

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