小林 |
「ひまやな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「お前は以前、
あまりにひますぎて大あくびをし、
アゴがはずれたことがあったな」
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北小岩 |
「ほろ苦い思い出でございます」
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小林 |
「いくらなんでも、駄目男すぎんか」
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ごきっ!
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小林 |
「むっ!」
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先生の顔が、みるみる青ざめていく。
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北小岩 |
「どうされましたか」
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小林 |
「いや、なに」
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北小岩 |
「緊急事態です。
はっきりおしゃってください!」
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小林 |
「ちんちんがはずれた・・・」
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北小岩 |
「あごがはずれるよりも、
さらになさけないでございますね。
先生のおちんちんは
放尿時に使うだけで、
これからも尿以外の目的で
使うことなどありえませんから、
緊張感がゼロになっているのでは」
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先生の形相が般若になっていく。
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北小岩 |
「申し訳ございません。
では、いかせていてだきます。
えいっ!」
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ごきっ!
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小林 |
「ふう!」
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弟子の膝蹴りによって、
はずれたちんちんが定位置におさまった。
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北小岩 |
「昨日お散歩していた時に、
公園のあじさいが
咲いていることに気づきました。
見学しにまいりませんか」
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小林 |
「そやな」
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再びちんちんがはずれるのを恐れ、
落ちていた升をかぶせて
ちんちんを囲いながら、公園に向かった。
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北小岩 |
「ずいぶんたくさん
かたつむりさんが
いらっしゃいます。
むむっ!
これはかたつむりさんでは
ございません。
おちんちんさんでございます!」
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「そうだよ」
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北小岩 |
「あなた様は?」
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「俺はこっそり公園に住んでいる人だよ。
近頃、ここいらへんには、
野良ちんちんが増えているんだよ」
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北小岩 |
「なんと!」
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こっそり
公園に
住んで
いる人 |
「ちんちんは、
基本的に飼い主がいるだろ。
しかし、野良ちんちんには
飼い主はいなんだ」
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北小岩 |
「そうなのですか。
猫さんがやってまいりました。
野良おちんちんさんたち、
そのままでいてください。
もし大きくなったりすると」
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猫は何かと思ってじゃれ始めた。
むくむくっ!
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北小岩 |
「まずいでございます!」
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猫の目がぎらつき、
ねずみを追い込むようにおちんちんをとらえた。
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北小岩 |
「くわえていって
しまいました・・・」
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このまま野良ちんちんが増え続けるのか。
公園からしばらく目が離せないであろう。 |