「うお〜、重てえ!」
「ちゃんと持てよ」
「離すと危ねえからな」
「そんなこと言っても、でかすぎるだろ!」
でかいといっても、
極端にイチモツがでかい男がいるわけではない。
先生の町では町民たちが交流するために、
年に一度巨大なテントを町はずれに設営し、
そこで男らが一緒に眠るのである。
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北小岩 |
「完成したようでございますね」
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小林 |
「まずは恒例の
キャンプファイヤーやな」
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めらめらめら
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北小岩 |
「いやらしい炎でございますね」
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小林 |
「そやな」
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町の男たちのいらなくなったエロ本を
燃やしているのである。
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小林 |
「涙ぐんどるやつもおるな」
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北小岩 |
「よい思い出が
あるのかもしれませんね」
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それから数時間後。
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小林 |
「眠くなってきたな。
俺たちもそろそろ
テントに入るか」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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テントの中は蒸し暑さのため、
ほとんどの男らは布団をはいでいる。
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小林 |
「ここにいる男たちは
テントにいながら、
自分の股間のテントが
さらにはっとるやないか。
むっ、あそこを見ろ!」
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北小岩 |
「ぎょわっちょ〜!」
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弟子がまぬけな声をあげたのも、
むべなるかな。
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北小岩 |
「テントと化した
トランクスの隙間から、
とても小さな家族たちが中に
入っていきます」
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小林 |
「彼らもキャンプを
楽しみたいんやな」
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北小岩 |
「あっ、複数いる家族の
お父さんたちが出てきて、
何やら話し合っております」
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耳をすましてみよう。
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小さな
家族の
お父
さんA |
「キャンプでは
火を焚くらしいけど、
どうしたらいいのかね」
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小さな
家族の
お父
さんB |
「草を燃やせばいいんじゃないかな」
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小さな
家族の
お父
さんC |
「そうか」
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各お父さんたちはテントの中に戻る。
シュッ
そこかしこで小さなマッチをする音がした。
ぼわっ
「あちい〜〜〜!」
「あちちち〜!」
大きなテントで寝ていた男たちの
叫び声が轟く。
小さな家族のお父さんたちが、
一斉に小テントの中の陰毛に火をつけたのだ。
陰毛は燃え上がり、
その中に位置する太い丸太、
簡単にいえばおちんちんに引火し、
焦げてしまったようだ。
男にとってこれほど恐ろしいことはないが、
いったいこの小さな家族たちは、
何なのであろうか。 |
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