KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百伍拾八・・・テント

「うお〜、重てえ!」

「ちゃんと持てよ」

「離すと危ねえからな」

「そんなこと言っても、でかすぎるだろ!」

でかいといっても、
極端にイチモツがでかい男がいるわけではない。
先生の町では町民たちが交流するために、
年に一度巨大なテントを町はずれに設営し、
そこで男らが一緒に眠るのである。

北小岩 「完成したようでございますね」
小林 「まずは恒例の
 キャンプファイヤーやな」

めらめらめら

北小岩 「いやらしい炎でございますね」
小林 「そやな」

町の男たちのいらなくなったエロ本を
燃やしているのである。

小林 「涙ぐんどるやつもおるな」
北小岩 「よい思い出が
 あるのかもしれませんね」

それから数時間後。

小林 「眠くなってきたな。
 俺たちもそろそろ
 テントに入るか」
北小岩 「そうでございますね」

テントの中は蒸し暑さのため、
ほとんどの男らは布団をはいでいる。

小林 「ここにいる男たちは
 テントにいながら、
 自分の股間のテントが
 さらにはっとるやないか。
 むっ、あそこを見ろ!」
北小岩 「ぎょわっちょ〜!」

弟子がまぬけな声をあげたのも、
むべなるかな。

北小岩 「テントと化した
 トランクスの隙間から、
 とても小さな家族たちが中に
 入っていきます」
小林 「彼らもキャンプを
 楽しみたいんやな」

北小岩 「あっ、複数いる家族の
 お父さんたちが出てきて、
 何やら話し合っております」

耳をすましてみよう。

小さな
家族の
お父
さんA
「キャンプでは
 火を焚くらしいけど、
 どうしたらいいのかね」
小さな
家族の
お父
さんB
「草を燃やせばいいんじゃないかな」
小さな
家族の
お父
さんC
「そうか」

各お父さんたちはテントの中に戻る。

シュッ

そこかしこで小さなマッチをする音がした。

ぼわっ

「あちい〜〜〜!」
「あちちち〜!」

大きなテントで寝ていた男たちの
叫び声が轟く。

小さな家族のお父さんたちが、
一斉に小テントの中の陰毛に火をつけたのだ。

陰毛は燃え上がり、
その中に位置する太い丸太、
簡単にいえばおちんちんに引火し、
焦げてしまったようだ。
男にとってこれほど恐ろしいことはないが、
いったいこの小さな家族たちは、
何なのであろうか。
 

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2015-06-14-SUN

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