KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百七拾伍・・・ドーム兄弟

北小岩 「美しい花器ですね」
小林 「斬新やな」
北小岩 「こんなに素晴らしいものを
 お持ちなんて、
 さすが翁さまでございます」
「これはドーム兄弟の作品じゃな」
北小岩 「ずいぶん変わったお名前の
 ご兄弟でございますね」
小林 「フランスのガラス工芸の
 名手たちや。
 19世紀末から20世紀前半にかけて、
 数々の名器を創造したんや」
北小岩 「さすが先生でございます!
 何でもごぞんじなのですね」
小林 「そこに落ちている紙を
 ちらみした」
北小岩 「さすがに先生は
 正直でございますね」

弟子はどこまで人がよいのであろう。

「実はな、
 もう一組覚えておいたほうがいい
 兄弟がおるぞ」
北小岩 「そうでございますか。
 それはぜひ、ご教示ください」
「ドーム兄弟よりも
 かなり新しい時代に
 活躍された方々だ」
北小岩 「陶器を創っておられたのですか」
「いや、違うな」
北小岩 「となると、
 わたくしには想像もつきません」
「陶器というより、性器に近い」
北小岩 「どういうことでございましょうか。
 どのようなお名前なのですか」
「名手たちと
 似たような名前なんだが、
 『コンドーム兄弟』というんじゃよ」
小林&
北小岩
「なんと!」
「彼らは腐った男が町で、
 女性が嫌がっているのに
 ちょっかいを出しとると、
 激怒するんじゃな」
北小岩 「もしや」

「そのもしやだな。
 兄弟の一人が悪人を
 動けないようにし、
 もう一人が
 巨大なコンドームをかぶせる」
小林 「なるほど。
 ある意味、
 芸術作品ができるわな」

北小岩 「そのようにイカした方々が
 いらっしゃったのですね」
「夜は、
 イカしたというより、
 イカせたりイカされたり
 じゃったろうな」
北小岩 「窒息してしまうのでは
 ございませんか」
「そこは武士の情け、
 コンドームに穴をあけて、
 息だけはできるようにする。
 ちんちん用のコンドームだったら、
 穴があいてたら危なくて
 使えないがな。
 あははははははははは」
小林&
北小岩
「・・・」


ドーム兄弟のように
後世に名を残すことはできなかったが、
人の記憶に残り語り継がれる男たち、
コンドーム兄弟。
ちょっとイカした男たちである。

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2015-10-11-SUN

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