北小岩 |
「美しい花器ですね」
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小林 |
「斬新やな」
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北小岩 |
「こんなに素晴らしいものを
お持ちなんて、
さすが翁さまでございます」
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翁 |
「これはドーム兄弟の作品じゃな」
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北小岩 |
「ずいぶん変わったお名前の
ご兄弟でございますね」
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小林 |
「フランスのガラス工芸の
名手たちや。
19世紀末から20世紀前半にかけて、
数々の名器を創造したんや」
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北小岩 |
「さすが先生でございます!
何でもごぞんじなのですね」
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小林 |
「そこに落ちている紙を
ちらみした」
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北小岩 |
「さすがに先生は
正直でございますね」
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弟子はどこまで人がよいのであろう。
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翁 |
「実はな、
もう一組覚えておいたほうがいい
兄弟がおるぞ」
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北小岩 |
「そうでございますか。
それはぜひ、ご教示ください」
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翁 |
「ドーム兄弟よりも
かなり新しい時代に
活躍された方々だ」
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北小岩 |
「陶器を創っておられたのですか」
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翁 |
「いや、違うな」
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北小岩 |
「となると、
わたくしには想像もつきません」
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翁 |
「陶器というより、性器に近い」
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北小岩 |
「どういうことでございましょうか。
どのようなお名前なのですか」
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翁 |
「名手たちと
似たような名前なんだが、
『コンドーム兄弟』というんじゃよ」
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小林&
北小岩 |
「なんと!」
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翁 |
「彼らは腐った男が町で、
女性が嫌がっているのに
ちょっかいを出しとると、
激怒するんじゃな」
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北小岩 |
「もしや」
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翁 |
「そのもしやだな。
兄弟の一人が悪人を
動けないようにし、
もう一人が
巨大なコンドームをかぶせる」
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小林 |
「なるほど。
ある意味、
芸術作品ができるわな」
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北小岩 |
「そのようにイカした方々が
いらっしゃったのですね」
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翁 |
「夜は、
イカしたというより、
イカせたりイカされたり
じゃったろうな」
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北小岩 |
「窒息してしまうのでは
ございませんか」
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翁 |
「そこは武士の情け、
コンドームに穴をあけて、
息だけはできるようにする。
ちんちん用のコンドームだったら、
穴があいてたら危なくて
使えないがな。
あははははははははは」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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ドーム兄弟のように
後世に名を残すことはできなかったが、
人の記憶に残り語り継がれる男たち、
コンドーム兄弟。
ちょっとイカした男たちである。 |