先生の町からヒーローが姿を消して、
どれぐらいたっただろうか。
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北小岩 |
「おちんちんマンさんは、
今どちらに
いらっしゃるのでしょうね」
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小林 |
「さあな。
ともかく、
おちんちんマンなのに
イチモツが動かざること
山の如しでは、
心がずたぼろやろな」
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武田信玄は、このようなところで
動かざること山の如しを
使ってほしくないであろう。
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北小岩 |
「わたくしには
何も力がございませんが、
もしおちんちんマンさんが
肩を落とされているのでしたら、
いいえ、おちんちんを
落とされているのでしたら、
僭越ながら
慰めさせて
いただきたいですね」
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おちんちんマン・・・。
小林先生が住む町以外の人には、
あまりなじみがないだろう。
おちんちんマンこそ、町の正義。
痴漢に襲われた女性を助け、
不良にからまれた子どもを助け・・・。
手にしている刷毛で股間をくすぐると、
そこはとてつもない大物となり、
チン力を筋力に変え、
悪いヤツらをブッ飛ばすのである。
しかし、である。
いくら刷毛でこちょこちょしても、
その部分は微動だにしなくなり、
町を去ったのだ。
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子ども
A |
「あっ!」
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子ども
B |
「どうしたの?」
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子ども
A |
「おちんちんマンだ!」
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子ども
B |
「ずっと前に呼んだ時、
逃げちゃったからな。
一応言ってみるか。
おちんちんマ〜ン!」
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「ぼっきんぼっきん」
全力疾走で近づいてくると、
刷毛でイチモツをくすぐり、
テントを張ったそこを軸に
ブレークダンスのように回りだした。
20代の女性たちも。
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20代の
女性A |
「あっ、おちんちんマンよ!」
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20代の
女性B |
「あそこがもうダメって
聞いてたけど、
そんなことないのね」
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20代の
女性A |
「この間は逃げちゃったけど、
呼んでみましょう。
おちんちんマ〜ン!」
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こちょこちょ
刷毛でイチモツをくすぐると。
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おちん
ちんマン |
「いい感じでそってますよ!」
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ポ〜ン ポ〜ン
天を向くブツで、
サッカーボールをリフティングし始めた。
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小林 |
「よかったな、
おちんちんマン」
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遠くで見ていた先生と弟子は、
涙ぐむのであった。
しかし、それから数日後。
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おちん
ちんマン |
「復活したと思ったら、
また、刷毛を使っても
あまり大きくならなくなった。
大きくなっても、
すぐにしょんぼりしてしまう」
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おちんちんマンはズボンとパンツを
一緒におろすと、
ポケットから刷毛を取り出した。
こちょこちょこちょ
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おちん
ちんマン |
「やっぱりダメだ」
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町のヒーローおちんちんマンは、
どこかに消えてしまった。
おちんちんマンが再び姿を現す日は、
来るのだろうか。 |