ガタンゴトン
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小林 |
「普段なら
数十キロは歩く俺たちやが、
さすがに冬はこたえるからな」
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二人の所持金は先生が2円、弟子が2円。
合わせて4円。
そんな師弟がなぜ電車に乗っているかといえば、
エロ本の見本市でできるだけえげつないエロ本を
と知り合いの社長から頼まれたからである。
電車賃も恵んでいただいたため、
今日は特別に電車通勤なのである。
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北小岩 |
「極楽ございますね」
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小林 |
「早足で歩く。
そして立ち止まる」
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北小岩 |
「あたためられた玉金が冷える」
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小林 |
「そしてまた、早足で歩く」
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北小岩 |
「立ち止まる」
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小林 |
「あたためられた玉金が冷える」
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北小岩 |
「わたくしたちの玉金は、
金冷法により
常に鍛えられていたわけで
ございます」
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小林 |
「その猛々しい玉金で、
女性たちに随喜の涙を
流させてきたわけやから、
今日ぐらいはのんびり行こ」
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北小岩 |
「御意にございます」
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こんなどぐされな二人の玉金に期待する女性など、
全宇宙をくまなくさがしても皆無であろう。
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小林 |
「ドア窓のシールに
何か書いてあるな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
『駅構内、車内で不審な物を
見かけた場合は、直ちにお近くの
駅係員または乗務員に
お知らせください』」
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小林 |
「そんなものが見つかったら
大騒ぎになるな」
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「キャ—!」
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北小岩 |
「どうしたのでございましょうか」
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小林 |
「油断するな」
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女性客 |
「乗務員さん、不審物です!」
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ダダダダダッ
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女性
乗務員
A |
「どこですか」
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女性客 |
「あそこです!」
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女性が指さす方へ、
車内の乗客すべての視線が集まった。
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女性
乗務員
A |
「確かに不審物です!
応援を呼びます!!」
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乗務員が無線で応援を呼ぶと。
どわどわどわ
屈強な女性乗務員たちが、
刺股を持って駆けつけた。
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女性
乗務員
A |
「あそこです!」
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女性
乗務員
B |
「ほんとだ。
すぐに除去しなきゃ!」
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乗務員たちが座っていた一人の男を倒し、
刺股で床に押し付けた。
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男 |
「俺が何をしたっていうんだ!」
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女性
乗務員
B |
「あんたの股間に
ぶら下がっているものは仕方ない。
でも車内でそこを大きくしたら、
それは不審物になるのよ!」
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特殊な刺股が、
大きくなっているイチモツをとらえた。
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女性
乗務員
B |
「覚悟しなさい!!」
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ピッ
グルグルギュワ〜〜〜〜ン
スイッチを押すと、
とてつもない速さで回り始めた。
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男 |
「うげ〜〜〜!」
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ポロッ
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北小岩 |
「とっ、
とれてしまいました・・・」
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パチパチパチッ
車内の女性たちはスタンディングオベーション。
しかし、男性たちは顔面蒼白であった。 |