小林 |
「梅雨やな」
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北小岩 |
「毎年わたくしたちの股間は
蒸れてしまいますね」
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小林 |
「後手後手にまわったのが甘かったな」
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北小岩 |
「そんな気もいたします」
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小林 |
「ちんちんがこんにちはをするギリギリの
ところまでズボンを下ろして散歩し、
風通しをよくする必要があるな」
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北小岩 |
「そうでございますね。
おやっ、
こんなところに妙な矢印がございます。
この道は毎日通っておりますが、
初めて拝見いたしました」
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小林 |
「どう思う」
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北小岩 |
「この矢印は通常とは異なる趣を感じます」
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小林 |
「鋭い考察やな」
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北小岩 |
「矢印の先が丸みを帯びております」
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小林 |
「それは男としては、
かなり大きなポイントや」
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どのような矢印状のものなのか。
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北小岩 |
「矢印のかわりに、
おちんちんで方向を示しております」
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そんなことだろうと思ったが、やはりそうであった。
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小林 |
「それを何とみる」
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北小岩 |
「気持ちのいいことが
待っているのではないでしょうか」
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小林 |
「アグリーや」
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二人はおちんちんが指す方向に、ひたすら歩いていった。
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北小岩 |
「亀がたくさん生息している、
通称亀の頭池のまわりに
囲いができております」
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小林 |
「怪しいな」
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北小岩 |
「中で気持ちのよいサービスが
行われているのではございませんか」
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小林 |
「アグリーや」
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二人は小さなドアを開け、中に入る。
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小林 |
「なんや、これは!」
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北小岩 |
「男の方たちが、
亀を出して寝そべっております」
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小林 |
「男の亀たちの横で、
本物の亀たちも仲良く日光浴しとるな」
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北小岩 |
「おちんちんに、
甲羅をつけている方もいらっしゃいます」
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小林 |
「この光景をなんとみる」
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北小岩 |
「ひと言で言えば、亀の楽園でしょうか」
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小林 |
「決してうらやましい光景ではない。
しかし、亀の楽園であることだけは確かや」
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世の中には様々な楽園がある。
この楽園は美しいとはいえないが、
独特ののどかさが漂っている事だけは確かである。
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