小林 |
「町おこしのための
賢者会議が開かれたらしいんや」
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北小岩 |
「賢者というのは、
あのうるさ型の
三人でございますか」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「三人とても仲が悪いと
うかがっております」
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小林 |
「お前も知っての通り、
俺が町で四番目の賢者やろ」
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北小岩 |
「はい」
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小林 |
「三番目の賢者が
どうしても会議に出られない時に、
俺が繰り上がりで
参加したことがあるんや」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「一番目と二番目が
特に仲が悪くてな」
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北小岩 |
「それでは会議が進みませんね」
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小林 |
「しまいに喧嘩になってな」
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北小岩 |
「それは困ります」
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小林 |
「ちんちんの大きさで
議決しようということに
なったんや」
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北小岩 |
「どちらの持ち物が
大きかったのですか」
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小林 |
「それがお互いに
ブツを出した瞬間、
一番目の賢者が
二番目のブツに
コブラを放ったんや」
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北小岩 |
「げげっ!
反撃は?」
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小林 |
「二番目のヤツは
すかさずサソリを放った」
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北小岩 |
「地獄絵図ですね。
先生はブツは
出さなかったのですか」
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小林 |
「一応出したんやが、
コブラもサソリも
通り過ぎていきよった。
俺のブツの大きさに
恐れおののいたんやな」
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そんなことはないだろう。
単に小さすぎて、気づかれなかったのであろう。
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北小岩 |
「ところで今回の
町おこしについては、
どうなったのでございますか」
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小林 |
「それが史上初の全員一致で
事が運んだと聞いた」
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北小岩 |
「もしかすると、
もう町おこしが
始まっているのかも
しれませんね。
行ってみましょう」
二人が町に出ると。
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北小岩 |
「むっ、
あそこのうどん屋さんに
新メニューが
加わっておりますが、
奇妙な気がいたします」
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小林 |
「確かにな。
入ってみるか」
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「いらっしゃい」
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北小岩 |
「外にディスプレイされている
うどんが、
妙な形をしている気が
するのですが」
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うどん
屋の
おやじ |
「ああ、あれね。
うどんにカリをつけたんだよ」
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北小岩 |
「カリ?
カリというのはもしかすると、
カリ高というものですか」
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うどん
屋の
おやじ |
「そうだよ。
賢者会議で
『カリの高い町』をテーマに、
町おこしすることに
決まったんだよ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか!」
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うどん
屋の
おやじ |
「これから町のいろいろなものに、
カリがついてくると思うよ。
あそこの靴屋も
ハイヒールに
カリをつけていたよ」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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カリ高で町おこしをする。
前代未聞の試みである。
吉と出るか凶と出るか。
町の賢者の力量が問われるであろう。 |