KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百参拾・・・町おこし

小林 「町おこしのための
 賢者会議が開かれたらしいんや」
北小岩 「賢者というのは、
 あのうるさ型の
 三人でございますか」
小林 「そやな」
北小岩 「三人とても仲が悪いと
 うかがっております」
小林 「お前も知っての通り、
 俺が町で四番目の賢者やろ」
北小岩 「はい」
小林 「三番目の賢者が
 どうしても会議に出られない時に、
 俺が繰り上がりで
 参加したことがあるんや」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「一番目と二番目が
 特に仲が悪くてな」
北小岩 「それでは会議が進みませんね」
小林 「しまいに喧嘩になってな」
北小岩 「それは困ります」
小林 「ちんちんの大きさで
 議決しようということに
 なったんや」
北小岩 「どちらの持ち物が
 大きかったのですか」
小林 「それがお互いに
 ブツを出した瞬間、
 一番目の賢者が
 二番目のブツに
 コブラを放ったんや」
北小岩 「げげっ!
 反撃は?」
小林 「二番目のヤツは
 すかさずサソリを放った」
北小岩 「地獄絵図ですね。
 先生はブツは
 出さなかったのですか」
小林 「一応出したんやが、
 コブラもサソリも
 通り過ぎていきよった。
 俺のブツの大きさに
 恐れおののいたんやな」

そんなことはないだろう。
単に小さすぎて、気づかれなかったのであろう。

北小岩 「ところで今回の
 町おこしについては、
 どうなったのでございますか」
小林 「それが史上初の全員一致で
 事が運んだと聞いた」
北小岩 「もしかすると、
 もう町おこしが
 始まっているのかも
 しれませんね。
 行ってみましょう」

二人が町に出ると。
北小岩 「むっ、
 あそこのうどん屋さんに
 新メニューが
 加わっておりますが、
 奇妙な気がいたします」
小林 「確かにな。
 入ってみるか」

「いらっしゃい」

北小岩 「外にディスプレイされている
 うどんが、
 妙な形をしている気が
 するのですが」
うどん
屋の
おやじ
「ああ、あれね。
 うどんにカリをつけたんだよ」
北小岩 「カリ?
 カリというのはもしかすると、
 カリ高というものですか」

うどん
屋の
おやじ
「そうだよ。
 賢者会議で
 『カリの高い町』をテーマに、
 町おこしすることに
 決まったんだよ」
北小岩 「そうなのでございますか!」
うどん
屋の
おやじ
「これから町のいろいろなものに、
 カリがついてくると思うよ。
 あそこの靴屋も
 ハイヒールに
 カリをつけていたよ」

小林&
北小岩
「・・・」

カリ高で町おこしをする。
前代未聞の試みである。
吉と出るか凶と出るか。
町の賢者の力量が問われるであろう。

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2016-10-30-SUN

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