KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百参拾参・・・風神

ぎ〜こ〜 ぎ〜こ〜

北小岩 「この音は」

「はい、郵便で〜す」

北小岩 「ごくろうさまでございます。
 むっ、
 筋肉の印が押してございます」

ぶるぶるぶる

北小岩 「先生、大変でございます!」
小林 「その様子と
 今の時季を考えると
 祭りやな」
北小岩 「そうでございます」
小林 「今年は俺たちが神になる番か」
北小岩 「そのようでございます」
小林 「神になるのは構わんが、
 神になるために
 修行をせにゃあかん」
北小岩 「考えるだけでも、
 恐ろしいでございます」
小林 「しかし、町の掟や」
北小岩 「はい・・・」
小林 「観念しようや」
北小岩 「かしこまりました・・・」

町有数の能天気といっても過言ではない二人の
表情が険しい。その理由は。

とんとん とんとん

北小岩 「筋肉玉男さん、
 いらっしゃいますが」
小林 「いやいややが、
 修行に来たで」
筋肉玉男
(略して
 筋玉)
「それでは
 ズボンとパンツを
 同時におろしてくれ」

師弟はフルチンになり、
深い桶のふちに両手足をセットした。

筋玉 「いくぞ!」

ぼちゃん

小林&
北小岩
「うげげっ!」

桶の水に、ピラニアを放り込んだ。

小林 「北小岩、腕を伸ばせ。
 さもないと、
 ちんぽをばくっとやられるで」
北小岩 「先生もお気をつけください!」

何時間たっただろうか。

筋玉 「いいだろう」


二人の腕と足には、
魂のこもった筋肉がついた。
その筋肉で何をするかと言えば、祭りの夜。

小林 「腕と足を使って、
 全力で
 この巨大扇風機を回すんや」
北小岩 「はい!」

二人がそれぞれ木をつかんで回すと軸が回転し、
扇風機から信じられないほどの
強い風が巻き起こった。

小林 「俺たちは風神や!」
北小岩 「そうでございます!」


その風がどういう役割をするかと言えば、
風に当たった男はちんちんが回り、
女はおっぱいが回る。

年に一度の祭りでは、順番で風神になる。
風神になる男は、
筋玉氏の特訓を経なければならない。

そんなしょうもない修行をして風を起こし、
ちんちんやおっぱいを回すことに
意味があるのかどうかは問わないこととしよう。

祭りとはお馬鹿さんな面を持っているものですから。

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2016-11-20-SUN

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