北小岩 |
「お鍋のおいしい季節ですね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「寄せ鍋、水炊き、石狩鍋、
キムチ鍋、豆乳鍋、きりたんぽ、
飛鳥鍋、もつ鍋、あんこう鍋、
マン汁鍋・・・。
いろいろございますね」
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小林 |
「よう知っとるな。
食ったことあるんか」
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北小岩 |
「幼少の頃には家族でよく
鍋を囲んでおりました。
しかし、こちらに来てからは」
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小林 |
「なあま。
ところでお前、
さりげなくマン汁鍋と言ったが、
食ったことあるんか」
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北小岩 |
「申し訳ございません」
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小林 |
「そやろ。
俺ぐらいのレベルに達し
て初めて味わえる鍋や」
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北小岩 |
「そうでございますね。
わたくし、
見栄をはってしまいました」
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小林 |
「まあええ」
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北小岩 |
「そういえば
数年前に食したパンティ鍋は
おいしかったですね」
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パンティ鍋とは何であろうか。
先生は強風の日に、飛ばされたパンティがないか
パトロールしている。
そこで集めたパンティで出汁をとった
パンティ鍋をやるぞと町のすけべどもに声をかけ、
具材を提供させて鍋を食すのである。
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小林 |
「久々に鍋をやるか」
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北小岩 |
「はい」
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北小岩くんは、
どこからか底の抜けた鍋を出してきて、
師弟で囲んだ。中身は何もない。
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北小岩 |
「鍋は体があたたまるものですが、
この鍋は芯まで冷え切りますね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「ところであの結果は
どうなったので
ございましょうか」
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小林 |
「1位ちんこ、
2位ま〇こ、
3位おなら、
4位うんこらしいな」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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小林 |
「ああ」
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わけのわからない結果である。
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北小岩 |
「長老が表札を
自分の名前ではなく、
4つのうちから
どれかを選んで
表札にすることに
決定したのでございますね」
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小林 |
「ああ」
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北小岩 |
「わたくし、
2位が一番かと思いましたが、
そうではないですね」
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小林 |
「男らはこぞって
それにしようとしたんやが、
妻から反対されたらしいんや」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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小林 |
「俺たちんところは、
1位のにしたがな」
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北小岩 |
「当然でございますね」
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小林 |
「この言葉を
眺めているだけで、
ウキウキするな」
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北小岩 |
「はい」
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はっきりいって、
どうでもいい町のどうでもいい順位である。 |