KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百参拾伍・・・童貞

ひゅ〜

北小岩 「木枯らしでございますね」

ひゅ〜

北小岩 「大量の枯葉が
 舞っております」

ぺた

北小岩 「先生の股間にへばりつきました。
 やはり大自然は、
 先生の股間が
 枯れきっていることに
 気が付いているのでございますね」
小林 「お前、
 何一人芝居で
 俺の股間の評価をしとるんや」
北小岩 「めっそうもございません。
 枯れたとはいえ、
 先生の股間の吸引力は
 健在なのでございますね」
小林 「相変わらず
 わけがわからん男やな」
北小岩 「そういえば、
 今日は町のナンバーワンが
 決まる日でございますね。
 いかがでしょうかね」
小林 「まあな」
北小岩 「下馬評では
 先生が断トツではないかと」
小林 「そういわれてもな」
北小岩 「わたくし、
 ワクワクしております」
小林 「もっとええことで
 ワクワクしたほうがええな」
北小岩 「どのようなことでも、
 先生が一番になるのは
 とてもうれしく思います」
小林 「なんでもかんでも
 順位をつければええ
 ということではないやろ」
北小岩 「あそこで票を数えております。
 発表です!」

チンチーン!

「1位は先生です!
 副賞の万力です」

何のナンバーワンかといえば、
「町で一番モテないので
 おちんちんがいらないと思う人」
コンテストのナンバーワンに輝いたのだ。

突然アマゾネス軍団の方々が現れ、
先生は万力にセットされた。
アマゾネス軍団の方々は、
力の限り万力を締め上げた。

小林 「うげ〜〜〜!」


女性のマンリキには締め上げられたいが、
先生にはこちらがお似合いであろう。

コンテストは同時に、
「町で一番モテるので
 おちんちんが二本必要だと思う人」
コンテストも行われた。

「1位 槍満郁夫(やりまんいくお)さんです。
 誰か槍満さんに
 質問がある方はいらっしゃいませんか」

北小岩 「はい。
 槍満さまは
 星の数ほどの女性と
 よいことをされていると思います。
 イタすということにおいて、
 何か悩みはございますか」
槍満 「リアル世界では
 マン幸福なんだけど、
 実は童貞でもあるんだよ」
北小岩 「どういうことでございますか」
槍満 「僕は性夢をよく見るんだけどね」
北小岩 「実生活では実りある性活を送り、
 夢でも性夢で
 気持ちいい思いをする。
 男冥利につきますね」
槍満 「ところがね、
 現実の女は自由になるんだけど、
 夢の中の女は、
 俺の自由にならないんだよ」
北小岩 「と申しますと」
槍満 「すげえいい女が出てきて、
 お楽しみの寸前まで
 行くんだけど、
 その先に進めないんだよ」
北小岩 「そうなのでございますか」
槍満 「もう一息のところで
 必ず変な動物が
 出てきてしまうんだ」
北小岩 「どのような動物でございますか」
槍満 「性夢を食う獏なんだよ。
 そいつが途中で
 性夢を食べてしまうから、
 俺は夢の中で
 最後までいったことがない。
 だから俺、夢童貞なんだよ。
 死ぬまでに一度ぐらい
 夢でもいい思いがしたいんだ」
北小岩 「夢童貞・・・」

槍満ほどの男が童貞であるとは。
それにしても夢のない夢の話であるが、
前半に出てきた先生の扱いが、
あまりにぞんざいでお寒い気もする。

でもいいか、冬だし。

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2016-12-04-SUN

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