びゅ〜
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北小岩 |
「強い風が吹いておりますね」
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ばっ
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北小岩 |
「確かに今、
風がおちんちんに当たりました」
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ごそごそ
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北小岩 |
「わたくし、
かなり神経過敏なところが
ございます」
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じ〜っ
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北小岩 |
「大丈夫でございました。
おちんちんの破損はございません」
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びゅっ
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北小岩 |
「風でふんどしが
なびいてしまいました」
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ちりんちりんちりん
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北小岩 |
「しまったでございます!
自転車にふんどしが
からまったのですが、
運転手が気付きません。
一緒に走らねば、
おちんちんに悪影響が
出るかもしれません」
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だだだだだ
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自転車
の
運転手 |
「ん?
何かに追われている気がするな」
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だだだだだだ
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自転車
の
運転手 |
「あっ、北小岩さんだ」
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キキーッ
ぎゅぎゅん!
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北小岩 |
「うわ!
急に止まったので、
ふんどしで金玉を
締め付けられました」
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くだらな過ぎるので、
この場面をこれ以上追うのは止めよう。
今日は金玉が締め付けられる話ではなく、
町の瓦版の話である。
「瓦版で〜す!」
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北小岩 |
「ありがとうございます」
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先生の町では、
週に一度無料で瓦版が配られる。
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小林 |
「気になる話題はあったか」
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北小岩 |
「三軒先の若山さん、
三十年ぶりに
朝起ちしたそうです!」
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小林 |
「そうか!
なぜか俺もうれしいわ」
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北小岩 |
「それから
角を曲がったところの羽木さん、
今まではおちんちんが
右に傾いていたのに、
突然左に傾きがかわったそうです」
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小林 |
「それは男にとって、
ターニングポイントになるやろな」
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北小岩 |
「池のそばにすんでいる大木さん、
おちんちんを
三カ月洗わなかったら、
付け根のあたりに
キノコのようなものが
生えてきたそうです」
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小林 |
「それは他人事やないな」
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この町の瓦版には、
どうでもいいようなことしか載っていない。
しかし、それがほんの少しだけ
うらやましい気がしてしまうのは、
なぜだろうか。 |