KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百参拾七・・・研究

ドンドン ドンドン

北小岩 「どなたかまいりましたね」

ドンドン ドンドン

北小岩 「これは
 ただごとはございません」

ドンドン ドンドン

北小岩 「お待ちください。
 お尻の穴を拭きましたら、
 ただちに急行いたします」

北小岩くんは、大便をしていたのであった。

北小岩 「お待たせいたしました」

「私はこういう者です」

北小岩 「あなたさまは、
 刑事(でか)さんでございますか。
 でかさんは、
 様々な特長であだ名があったり
 いたしますが、
 何とお呼びすれば
 よろしいでしょうか」

「そうだな。
 俺を見て何か気づいたことはないか」

北小岩 「人様のモチモノに関して
 とやかくいう気はございませんが、
 おちんちんがとても
 大きそうに見えます」

「いいとこついたな。
 俺は同僚たちから『ちんちんデカッ!』と
 呼ばれているよ」

北小岩 「やはりそうでございましたか。
 それでご用件は」

ちん
ちん
デカッ!

「隣町で、
 この町を亡ぼすための
 研究をしている博士が
 いるらしいんだよ。

 俺がうかつに
 動くことはできないんだ。
 この町を救うために、
 君たちで隣町の研究所に
 偵察にいってくれないか」

決して先生と弟子が優れているわけではない。
警察がめんどくさいと思ったことは、
二人にお鉢が回ってきてしまうのだ。

北小岩 「一人2円ずつ、
 合計4円のお駄賃が出るのは
 魅力ですね」
小林 「そやな」

二人の金銭感覚は、
昭和初期の人たちよりささやかだ。
師弟は便器に変装し、研究所に侵入した。

小林 「この中で
 悪魔の研究が行われとるんやな」
北小岩 「壁に耳をつけてみましょう」
博士 「ついに完成したな」
助手 「やりましたね」
博士 「これでもう、
 隣町は滅亡したも同然だな」

ぶるぶるぶる

北小岩 「博士はあまりに恐ろしいものを
 開発したようですね」
小林 「そなや。
 ここから先の話が、
 俺たちの明暗をわける。
 耳の穴おっぴろげまくって
 聞いておくんや」
助手 「この薬を飲んだが最後、
 うんこをした後に
 ケツを拭くのを
 忘れてしまうんですからね、
 ほんとに恐ろしい薬です。
 さすが博士ですね」
博士 「なあに。
 わっはっはっはっは!!!!!」

もしも町民全員が、
この薬を知らず知らずのうちに飲まされたら、
どうなるだろう。

みんなうんこをした後にケツを拭かないわけだから、
町がうんこ臭くなることが予想される。
町の人々は蔑まれ、
訪れる人も激減する可能性がある。
悪の化身の名をほしいままにしただけあって、
恐ろしいことを考える博士である。

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2016-12-18-SUN

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