キラキラ〜
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北小岩 |
「空が澄んで
星がとても美しいでございますね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「お月様の隣に、
ひときわ輝いている
お星様がございます」
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小林 |
「金星やろな」
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北小岩 |
「むっ!
いつもは一つなのに、
今日は二つ煌めいております!」
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小林 |
「やはりあの噂は
ほんとうやったか」
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北小岩 |
「先生、
大変でございます。
数が増えただけではなく、
お星様が動き出しました。
これは天変地異の予兆に
間違いございません!」
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小林 |
「そうあわてるな」
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北小岩 |
「すぐにでも逃げた方が
いいのではございませんか」
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小林 |
「以前、
天文学者と雑談した時に
ちらっと聞いたんやが、
多分大丈夫やで」
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北小岩 |
「もし、大丈夫ではない場合、
とんでもないことに
なるのではないですか」
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小林 |
「確かめにいくか」
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二人はお正月にお金持ちの人から
殻だけいただいた、
巨大なタラバガニの爪をお互いの急所に刺し、
「うお〜!」という勢いを利用し、
天文学者の家にたどり着いた。
天文学者の名前は、
満星舐目流(まんぼしなめる)という。
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小林 |
「こやつが、
星の数が増えたり
動いたりしとるから、
天変地異が起ると
言っとるんやが」
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満星 |
「それは杞憂ですね」
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北小岩 |
「なぜでございますか」
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満星 |
「あれは星ではないのですよ」
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北小岩 |
「えっ?
ではいったい、
何なのでございますか」
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満星 |
「とてつもなく大きな人の
金玉なんですよ」
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北小岩 |
「百歩譲らせていただきまして、
そうだといたしましょう。
でも、人がまったく
見当たりませんでした」
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満星 |
「空とまったく
同じ色をした人が
いたとしたら、
その人は見えるでしょうか」
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北小岩 |
「はっ。
確かに見えません」
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満星 |
「空とまったく
同じ色をした人が、
全裸で立っていたんですよ。
ちょうどお月様の隣に来る
ポジションでね」
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北小岩 |
「しかし、
なぜそこが光っていたので
ございますか」
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満星 |
「金玉に夜光塗料を
塗っていたんですよ」
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北小岩 |
「なるほど」
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小林 |
「なっ、北小岩。
大丈夫やろ」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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師弟は笑顔で帰っていった。 |