どこか
の社長 |
「いつもありがとな」
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小林 |
「楽しんもらえれば本望や」
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どこか
の社長 |
「先生と北小岩くんは、
人としては
便器の黄ばみぐらいの
存在だけど、
エロ本の収集能力だけは
人間国宝級だな」
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北小岩 |
「もったいなきお言葉に
ございます」
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もったいないもなにも、
そんな能力に人間国宝を持ち出してはならない。
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どこか
の社長 |
「これでしばらくは、
下半身が退屈しないですむよ」
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小林 |
「魔法のランプやないから、
こすりすぎないことやな」
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小林&
北小岩
&
どこか
の社長 |
「あははははは!」
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三人寄れば文殊の知恵というが、
彼らの場合は卑しさが三倍になるだけであろう。
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どこか
の社長 |
「そうだ。
ホテルのコーヒー券が
二枚あるからあげるよ」
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北小岩 |
「ありがとうございます!」
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小林 |
「コーヒーを飲むのは
数年ぶりやな」
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北小岩 |
「そういえば、
色が似ているというだけの理由で、
二人で泥水を
飲んでしまったことが
ございますね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「泥水だけなら
まだよかったのですが」
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小林 |
「伏兵が現れたな」
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北小岩 |
「まさか泥の中に、
犬のフンが
混ざっているとまでは
思いませんでした」
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小林 |
「まったくな。
今日は正真正銘の
コーヒーや。
飲みに行こか」
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二人はホテルに着くと、
不似合いなソファに腰かけた。
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北小岩 |
「あそこに
コンシェルジュ様がおりますね。
お客様たちが
何か要望を伝えております」
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客A |
「69号室に俺たちの上司が
泊まっているんだけど、
最低なんだよ。
部下いじめがひどくてさ」
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客B |
「女子社員が嫌がっているのに、
鉛筆の先に動く孫の手つけて、
書類の不備を
注意するふりして、
それで乳首を
ひねったりするんだ」
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コン
シェル
ジュ |
「それはいけませんね」
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客A |
「何とか懲らしめてくれないか」
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コンシェルジュ「かしこまりました」
コンシェルジュが
お客様に心地よさを提供するだけと思ったら、
大間違いである。
カスな客にはカスなサービスをすることが、
このホテルの基本なのだ。
コンシェルジュは
69号室と書かれたコントローラーを操作する。
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北小岩 |
「あなた様は、
今何をされたのでございますか」
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コン
シェル
ジュ |
「あの方たちの上司が
シャワーを浴びているので、
温水を温尿に切り替えました」
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しばらくすると、
またコンシェルジュが何かしたようだ。
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コン
シェル
ジュ |
「大便をしているので、
『大便トランポリン』装置を
作動させました」
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お尻と便器の中間に小さなトランポリンが出てきて、
大便をバウンドさせてお尻に着けるらしい。
その後も上司がフロントに苦情電話をかけると
よがり声のテープが流れ、
エアコンスイッチを入れると
部屋中に腐った屁の臭いが充満するようにした。
世の中には、いろいろなホテルがあるのですね。 |
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