KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百伍拾・・・サービス

どこか
の社長
「いつもありがとな」
小林 「楽しんもらえれば本望や」
どこか
の社長
「先生と北小岩くんは、
 人としては
 便器の黄ばみぐらいの
 存在だけど、
 エロ本の収集能力だけは
 人間国宝級だな」
北小岩 「もったいなきお言葉に
 ございます」

もったいないもなにも、
そんな能力に人間国宝を持ち出してはならない。

どこか
の社長
「これでしばらくは、
 下半身が退屈しないですむよ」
小林 「魔法のランプやないから、
 こすりすぎないことやな」
小林&
北小岩

どこか
の社長
「あははははは!」

三人寄れば文殊の知恵というが、
彼らの場合は卑しさが三倍になるだけであろう。

どこか
の社長
「そうだ。
 ホテルのコーヒー券が
 二枚あるからあげるよ」
北小岩 「ありがとうございます!」
小林 「コーヒーを飲むのは
 数年ぶりやな」
北小岩 「そういえば、
 色が似ているというだけの理由で、
 二人で泥水を
 飲んでしまったことが
 ございますね」
小林 「そやな」
北小岩 「泥水だけなら
 まだよかったのですが」
小林 「伏兵が現れたな」
北小岩 「まさか泥の中に、
 犬のフンが
 混ざっているとまでは
 思いませんでした」
小林 「まったくな。
 今日は正真正銘の
 コーヒーや。
 飲みに行こか」

二人はホテルに着くと、
不似合いなソファに腰かけた。

北小岩 「あそこに
 コンシェルジュ様がおりますね。
 お客様たちが
 何か要望を伝えております」
客A 「69号室に俺たちの上司が
 泊まっているんだけど、
 最低なんだよ。
 部下いじめがひどくてさ」
客B 「女子社員が嫌がっているのに、
 鉛筆の先に動く孫の手つけて、
 書類の不備を
 注意するふりして、
 それで乳首を
 ひねったりするんだ」
コン
シェル
ジュ
「それはいけませんね」
客A 「何とか懲らしめてくれないか」

コンシェルジュ「かしこまりました」

コンシェルジュが
お客様に心地よさを提供するだけと思ったら、
大間違いである。
カスな客にはカスなサービスをすることが、
このホテルの基本なのだ。

コンシェルジュは
69号室と書かれたコントローラーを操作する。

北小岩 「あなた様は、
 今何をされたのでございますか」
コン
シェル
ジュ
「あの方たちの上司が
 シャワーを浴びているので、
 温水を温尿に切り替えました」

しばらくすると、
またコンシェルジュが何かしたようだ。
コン
シェル
ジュ
「大便をしているので、
 『大便トランポリン』装置を
 作動させました」

お尻と便器の中間に小さなトランポリンが出てきて、
大便をバウンドさせてお尻に着けるらしい。
その後も上司がフロントに苦情電話をかけると
よがり声のテープが流れ、
エアコンスイッチを入れると
部屋中に腐った屁の臭いが充満するようにした。

世の中には、いろいろなホテルがあるのですね。
 

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2017-03-19-SUN

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