KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百伍拾弐・・・最先端

小林 「お前は
 最先端を意識して生きとるか」
北小岩 「はい」
小林 「ほほう」
北小岩 「己のこととして、
 とらえております」
小林 「まだまだ
 ひよっこやと思っていたが、
 いつの間にか
 成長したようやな」
北小岩 「わたくしなりに
 大きくなっていければと
 思っております」
小林 「素晴らしい心がけや!」
北小岩 「ありがとうございます」
小林 「ところで、どのように
 最先端を意識しとるんや」
北小岩 「わたしくの最先端部分は、
 おちんちんでございますね」
小林 「むっ?」
北小岩 「実をいうと
 その最先端部分から、
 透明な涙が
 流れていることがあるのです」
小林 「・・・」
北小岩 「近頃、
 敏感になってしまったようで」
小林 「まさかと思ったが、
 やはりそういうことだったか」
北小岩 「わたくしからの報告は、
 以上でございます」
小林 「お前の最先端は
 その程度やろ。
 俺たちの町の最先端研究は
 なかなかやで」
北小岩 「そうなのでございますか」
小林 「ともかく話を聞きにいくか」

遠い町だと二人は、
例えばお互いの急所を火打石で打ったりするという
意味のないことをして
エネルギーにかえて訪れるのだが、
近所なのでただ歩いていった。

北小岩 「申し訳ございません。
 どなたかいらっしゃいますか」

ギー ブーン

北小岩 「さすが
 最先端研究所でございます。
 ロボットがお出迎えです」

ギギーッ

北小岩 「握手でございますか。はい」

弟子が手を出すと、
ロボットの手が後ろに動いた。

北小岩 「お尻のところに
 手をやっております」

プ〜ッ ギュッ パッ

北小岩 「うげ〜っ!
 臭いでございます」
最先端
研究所
「これは私たちの最新作、
 『にぎりっ屁ロボット』です」

小林 「あんたが手に持っとる
 スプレーはなんや」
最先端
研究所
「『永久おならスプレー』ですね」
小林 「なんや、それは?」
最先端
研究所
「せっかくおならをしても、
 儚く消えてしまいます。
 しかし、
 このスプレーを使えば、
 おならの香りを長い時間
 閉じ込めて楽しむことが
 できるのです」

巨大なしゃぼん玉の中に
屁が入っているような状態になるらしい。

す〜っ

小林 「むっ、
 今あそこの女が
 すかしっ屁をしたな。
 貸さんかい」

先生は女性の屁にスプレーした。

研究所
の女性
「何してんのよ!
 私を辱しめようとしてるのね!
 くらえ!!」

女性は巨大な屁のしゃぼん玉をつかみ、
先生の顔を入れた。
バイクのヘルメットの中に、
生の屁が充満しているところを
想像してください。

小林 「くっ、
 臭せえ〜〜〜!!!」

先生の町の最先端、
世の中に必要とされているものは
何ひとつありません。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2017-04-02-SUN

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