KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百六拾六・・・流れる

小林 「俺たち、
 近頃モテてるとは
 言い切れんな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「なぜと思う?」
北小岩 「謙虚さがまったくないのでは
 ないでしょうか」
小林 「俺も同意見やな」
北小岩 「どうすればよいので
 ございましょうか」
小林 「凄くモテそうなヤツを
 師としてみるか」
北小岩 「名案でございます」

そして二人はモテそうなヤツのもとを訪ねた。

モテ
そうな
ヤツ
「確かに僕も
 三カ月前まではモテましたよ」
小林 「どういうこっちゃ」
モテ
そうな
ヤツ
「それがですね・・・」

彼が語った驚くべき話。
時計の針を、三カ月戻してみよう。

そこはなぜか町の質屋。

質屋の
おやじ
「そんなことを
言われてもねぇ」
モテ
そうな
ヤツ
「そこを何とか」
質屋の
おやじ
「うちはモノに対して
 お金を貸しているわけだから」
モテ
そうな
ヤツ
「これだって
 モノじゃないですか!」
質屋の
おやじ
「モノというか、
 モチモノというか」
モテ
そうな
ヤツ
「とにかく見てくださいよ!」
質屋の
おやじ
「仕方ないねぇ」

モテそうなヤツが己のモノを取り出すと。

質屋の
おやじ
「むっ!」
モテ
そうな
ヤツ
「いかがですか」

質屋の
おやじ
「かなりのモノを
 お持ちですな」
モテ
そうな
ヤツ
「価値ということなら、
 女性たちを喜ばせるという
 価値があると思いますが」
質屋の
おやじ
「わかりました。
 貸しましょう。
 でも、
 期日までに返さないと、
 流しますよ」

それから三カ月がたち。

モテ
そうな
ヤツ
「借金を返せず、
 私のモノは
 流されてしまったのです」
北小岩 「どういうことですか」
モテ
そうな
ヤツ
「モノがどんぶらこと
 流れていくわけではありません。
 僕のモノの
 所有者になりたい女性は
 かなりいたらしいのですが、
 好みと真逆の人に落札されて」
北小岩 「落札されたとはいえ、
 自由に使っても
 ばれないのでは」
モテ
そうな
ヤツ
「モノに特殊な鍵を
 つけられてしまったのです。
 他の女性と
 できないようにするために」

ちんちんが質流れになる・・・。
みなさまもお金を借りるときは、
くれぐれもお気をつけください。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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postman@1101.comに送ってください。

2017-07-09-SUN

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