ギラギラ
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小林 |
「油断しとったら、
暑さが鎌首をもたげてきたな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「このまま夏に
突入しそうやな」
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北小岩 |
「先っぽだけということでは
なさそうですね」
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小林 |
「そやな。
今年の夏は
何かに似ている気がせんか」
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北小岩 |
「え〜と。え〜と」
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小林 |
「そんなに考えるほどのことか」
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北小岩 |
「そうではございますが」
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小林 |
「ヒントやるわ」
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北小岩 |
「はい」
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小林 |
「ち」
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北小岩 |
「はっ!
ちんぽでございます!!」
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時にはましなことを聞けるかと思っても、
この二人の場合そうなることはない。
このことは、肝に銘じたほうがよいであろう。
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北小岩 |
「むっ!」
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弟子が路面の落書きに目を止めた。
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北小岩 |
「いちもつのような矢印が
描かれております」
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小林 |
「やや気になるな」
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北小岩 |
「矢印にしたがってみましょう」
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矢印は点々と続いている。
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北小岩 |
「あそこに占い師のような方が
いらっしゃいますね」
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小林 |
「どこか胡散臭いな」
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北小岩 |
「話しかけてみます。
お暇そうなところ、
大変申し訳ございません。
あなた様は」
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「お二人は、
今の生き方に限界を感じていませんか」
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小林 |
「単刀直入に
切り込んできたな」
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北小岩 |
「確かにそう感じておりますが、
どうすればよろしいので
ございますか」
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「反対の世界に飛び込むことです」
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北小岩 |
「と申しますと」
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「例えば何かをやめようかどうしようか、
迷う時があります。
そんな時、あなたならどうしますか」
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北小岩 |
「徐々に減らして様子をみます」
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「それではただ
フェイドアウトしていくだけですね。
そうではなく、やめようと思ったことを、
今の10倍やってみるのです。
そうすると、進むべき道が見えてきます。
反対の世界に飛び込んでいくのです」
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小林 |
「妙に説得力があるな。
この男、本物かもしれん」
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北小岩 |
「わたくしたちに、
反対の世界を
ご教示いただけませんか」
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「私のいうことを迷いなく行えるのなら、
お教えします」
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北小岩 |
「それは大丈夫です」
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「ではあなたはちんちんを出し、
もう一人はお尻の穴を出してください」
師弟は素直にしたがう。
「そのままあそこの
トイレに行きましょう」
二人は夢遊病者のように後を追う。
「反対ではない世界では、
普段はちんちんを仕舞っていて、
小便をする時にちんちんを出します。
また、お尻の穴は仕舞っていて、
大便する時にお尻の穴を出します。
しかし、それでは限界があるでしょう。
そうではなく、普段ちんちんを出していて、
小便をする時にちんちんを仕舞うのです。
そして、普段肛門を出していて、
大便をする時に肛門を仕舞うのです。
さあ、反対の世界に突入しましょう!」
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ジャ〜! びしゃ
ブリッ! べたっ
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小林&
北小岩 |
「うお〜!」
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この人たち、アホですね。 |