チャリ チャリ
|
小林 |
「いくらあった」
|
北小岩 |
「2円でございます」
|
チャリ チャリ
|
北小岩 |
「いかがでございますか」
|
小林 |
「2円やな」
|
北小岩 |
「二人合わせて」
|
小林 |
「所持金は4円や」
|
北小岩 |
「見事に増えませんね」
|
小林 |
「捨てたもんやないで。
お前、金の玉はいくつ持っとる?」
|
北小岩 |
「二つでございます」
|
小林 |
「俺がいくつ持っとる」
|
北小岩 |
「無駄な持物とは思いますが、
二つでございます」
|
小林 |
「二人合わせて金は4、
所持金も4。
同じやな」
|
北小岩 |
「そうでございますね!」
|
弟子の表情が豆電球のように明るく灯ったが、
明るくなるほどのことではないであろう。
|
北小岩 |
「とはいえ
何かあった時のために、
もう少し所持金を増やしても
よい気がいたします。
資本がないわたくしたちは、
どうすればよいのでしょう」
|
小林 |
「アイデアで
突破していく以外
ないやろな。
俺の友人に
小さなアイデアを得意としとる、
アイデアマン小(こ)と
呼ばれる男がおる。
リヤカーで商品を
売っとるはずやが。
おっ、
都合よくあっちから来るで」
|
アイデ
アマン
小 |
「あっ、
先生と北小岩さんでは
ありませんか」
|
北小岩 |
「わたくしたちは、
所持金が各自2円なのですが、
アイデアを起爆剤にして
増やしたいと思っているのです。
今、どのような
アイデア商品がございますか」
|
アイデ
アマン
小 |
「まず、これですね。
スイッチを入れてみてください」
|
北小岩 |
「かしこまりました」
|
カチッ
「国道69号線
陰毛交差点を直進し、
約30メートル先
左側の家の若奥さんは、
スケスケのピンクのパンティを
履いています」
|
北小岩 |
「なんですか、これは?」
|
アイデ
アマン
小 |
「スケベナビですね。
運転中、飽きさせませんよ」
|
小林 |
「このカメラ、
普通にしか見えんが」
|
アイデ
アマン
小 |
「ちょうど向こうから、
小股の割れあがった
いい女が参りましたので、
しゃがんだ体勢で
シャッターを切ってください」
|
小林 |
「こうか?」
|
びよ〜ん
|
小林 |
「むっ、
望遠レンズが
どこまでも伸びてくで〜」
|
レンズが10メートルほど伸び、
女性の秘所をとらえた。
|
アイデ
アマン
小 |
「迫力のある秘所を
撮ることができます」
|
「あんた、何やってんのよ!」
ダダダダッ ボコッ!
|
小林 |
「ううっ」
|
女性はダッシュをかけると、
無防備にしゃがんでいる先生の
股間を思いっきり蹴り上げた。
氏もまた、町の女性たちが
積極的に学んでいる金玉空手の
有段者であった。
先生は泡を吹いて気絶した。
このカメラを持つとカメラマンではなく、
カメラ&マンになってしまうのですね。
どうでもいいことですが。 |