KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百七拾六・・・秋の喧嘩

「わっしょい」

北小岩 「秋祭りの季節でございますね」
小林 「そやな」

「わっしょいわっしょい」

北小岩 「だんだんお御輿が
 近づいてまいりますね」
小林 「もうすぐ角を
 曲がってくるな」
北小岩 「それにしても
 お御輿の担ぎ手なのですが、
 妙に喧嘩の強そうな方たちが
 どこかから集まってきますね」
小林 「普段どこに
 生息しとるんやろな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「彼らの褌姿を見ると、
 俺たちまで勢いが出るわな」
北小岩 「毎年、金の玉が
 はみ出ている方が二、三人
 いらっしゃいます」

「わっしょいわっしょい」

北小岩 「神社に奉納するために、
 隣の町のお御輿が
 まいりました」
小林 「このままではぶつかるで」

「わっしょいわっしょい」

先生の
町の
若武者
「なんでえなんでえ、
 道をあけねえか」
先生の
隣町の
若武者
「お前らこそどけよ」
北小岩 「どちらの方も、
 喧嘩っ早そうでございます」
先生の
町の
若武者
「喧嘩売ってんのか」
先生の
隣町の
若武者
「うるせえ、このやろう」

ざざざざっ

北小岩 「あっ、行司が現れました」
行司 「町と町の取り決めで、
 殴り合いはできません」
先生の
町の
若武者
「取り決めってなんだよ」
行司 「あなた方は
 タイマンをしようと
 してますね」
先生の
隣町の
若武者
「そうだよ」
行司 「ではまず、
 この鯛を買ってください。
 料金は後から請求します」

若武者は各自鯛を持たされた。

行司 「それはメス鯛です。
 それぞれの秘所と
 思われるところを
 くっつけてください」
先生の
町&
隣町の
若武者
「?」

行司 「はい。
 タイマン(鯛マン)の
 開始です。
 二人とも褌を
 ほどいてください」

二人が褌をとると。

行司 「今年から殴り合いは
 許されないため、
 喧嘩は陰毛の引っ張り合い
 のみになりました。
 はっ毛よいのこった!」

若武者たちは相手の陰毛を
ちぎれんばかりに引っ張る。

先生の
町&
隣町の
若武者
「いてててて!」


いきり立っていた男衆、女衆は、
それを見ると思わず苦笑いした。
若武者たちも馬鹿々々しくなり、
喧嘩をやめました。

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2017-09-17-SUN

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