KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百八拾・・・招待選手

北小岩 「ついにスタートですね」
小林 「俺たちの町のマラソン大会は、
 レベルが高いからな」
北小岩 「ウォームアップは入念に」

ビリッ

グニョッ

北小岩 「しまったでございます!」
小林 「何があったんや」
北小岩 「ゴミ捨て場で拾ってきた
 靴の底が抜けました」
小林 「グニョッという音は、
 糞を踏んだんやな」
北小岩 「そうでございます。
 生足で踏んでしまいました」


先生と北小岩くんは
所持金が各自2円しかないため、
どんなに距離があっても歩くか走るかである。
いつの間にか鍛えられたおかげで
長距離走が速く、期待されているのだが。

北小岩 「先生の調子は
 いかがですか」
小林 「イチモツが褌にこすれて
 前が膨らみ、
 あまりのデカさに
 前のめりになって
 転ばなければ、
 入賞は間違いないやろな」

ブツがペットボトルのふたぐらいの大きさしか
ないのだから、
膨らんでも前のめりになる可能性はない。

北小岩 「優勝賞金が
 6969円らしいです」
小林 「ダブルシックスナインやな。
 縁起がいいわ。
 それだけあれば、
 一年暮らすことも可能やな」
北小岩 「今年は外国人選手を
 招待したらしいです」
小林 「強敵や。
 そいつに勝たねば優勝はない。
 真後ろについて、
 プレッシャーをかけて
 つぶそうやないか」

ドーン!

スタートの号砲が鳴った。

小林 「あいつやな」
北小岩 「わたくし、
 靴の底が抜けておりますが、
 ぴったりつきましょう」

しかし、30秒ほどで。

小林 「こいつ遅いな」
北小岩 「最後尾に
 なってしまいました」
小林 「なんで招待選手なんや。
 むっ!
 いつの股間を見てみい」
北小岩 「パンツのゴムから
 はるか高く、
 おちんちんが生意気な顔して
 飛び出ております!」
小林 「もしかすると」
北小岩 「きっとそうでございます」
小林 「マラが尊大・・・」
北小岩 「つまり『マラソンだい!』」


通常マラソンの有力選手を
招待するものであるが、
マラが尊大という基準で
遠い異国から呼び寄せるとは・・・。
先生の町は、相変わらずくだらない。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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postman@1101.comに送ってください。

2017-10-15-SUN

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