小林 |
「町はずれに
女用の動物園ができたな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「女用というところが、
妙に気になるな」
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北小岩 |
「性の香りがいたしますね」
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小林 |
「土管作戦を敢行するか」
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北小岩 |
「そういたしましょう」
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町はずれにある原っぱに、
古びた土管が一本転がっている。
その中に潜み、土管に座った女性たちの話を
盗み聞きする。それが土管作戦である。
もぞもぞ。
師弟がスタンバイし、
土管の腹の小さな穴から覗く。
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小林 |
「おなごが来たな」
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北小岩 |
「はい」
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どすん
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おなごA |
「ねえ、
女用動物園行った?」
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おなごB |
「行ったわよ」
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おなごA |
「どんな動物がいるの?」
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おなごB |
「うちの町が
オマーンにある
『コ』という町と
姉妹都市に
なったらしいのよ」
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おなごA |
「へえ」
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おなごB |
「それで毎日
変わったらくだが
動物園に送られてくるのよ」
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おなごA |
「どんならくだなの」
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おなごB |
「一日目は
こぶの部分が
おちんちんの形をした
『ひとチンこぶらくだ』」
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おなごA |
「ほんとに」
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おなごB |
「二日目は
こぶの部分に
おちんちんが
二つたっている
『ふたチンこぶらくだ』」
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おなごA |
「凄いわね!」
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おなごB |
「三日目は
おちんちん三つの
『みつチンこぶらくだ』」
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おなごA |
「女の子たちは
大興奮でしょ」
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おなごB |
「三日目まではね」
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おなごA |
「どういうこと?」
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おなごB |
「四日目から
状況が変わったのよ」
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おなごA |
「えっ?
よつチンこぶらくだが
来たんじゃないの」
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おなごB |
「来たんだけど、
それがね」
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おなごA |
「それが?」
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おなごB |
「萎えてたのよ。
『よつ萎えチン
こぶらくだ』
だったのよ」
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おなごA |
「げげっ!」
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それ以降は『いつつ萎えチンこぶらくだ』
『むつ萎えチンこぶらくだ』と
続いたらしい。
オマーンに『コ』という町があるのか、
とても疑わしいですね。 |