ふぁ〜
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小林 |
「暇やな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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ひゅ〜
ぶるぶる
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小林 |
「寒い上に暇だと、
寒さが倍増するな」
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北小岩 |
「まったくでございます」
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小林 |
「こんな日には
ヤツの話が恋しくなるな」
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北小岩 |
「訪れてみましょうか」
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小林 |
「そやな」
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ヤツというのは、隣町に住んでいる奴である。
名前も谷津という。
とんとん
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北小岩 |
「こんにちは」
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谷津 |
「あっ、先生と北小岩さん」
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小林 |
「なんか面白い話はあるか」
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谷津 |
「奇妙なことがありまして」
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谷津氏は、今まで多くの
あり得ない体験をしている。
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谷津 |
「便器なんですよ」
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北小岩 |
「どういうことでしょうか」
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谷津 |
「昨日、道を歩いていたら
便器に出会ったんですよ」
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北小岩 |
「えっ」
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谷津 |
「便器は
そのまま突進してきて、
僕の脛にぶつかりました」
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北小岩 |
「痛そうでございますね」
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谷津 |
「骨が折れたかと思いました。
それで怒鳴ったら、
便器が怒ったので、
思いっきり蹴飛ばしたのです」
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小林 |
「ほほう」
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谷津 |
「間髪を入れずに
飛びかかってきました。
思いの他強かったので、
一目散に逃げたのですが、
信じられないほどの俊足で
追いつかれました」
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北小岩 |
「どうなりました」
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谷津 |
「やばいと思い、
後ろの空を指さすと
便器がそっちを見たので、
そのすきに逃げました」
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北小岩 |
「また
追いつかれてしまったのでは
ございませんか」
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谷津 |
「今度はなぜか大丈夫でした。
ところがホッとして
角を曲がったら」
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北小岩 |
「角を曲がったら?」
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谷津 |
「便器が待ち伏せしていて、
殴られました」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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谷津氏の話を、どうとらえればよいのか。
端的にいえば、どうでもいいお話ですね。 |