ひらひら〜
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北小岩 |
「桜が散り始めましたね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「わたくし、桜が散ると
いささか気分が
散ってしまうのでございます」
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小林 |
「それは問題やな」
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北小岩 |
「どうすればよろしいのでしょうか」
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小林 |
「笑いが必要やな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「町境に行こか」
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北小岩 |
「そういたしましょう」
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先生の町と隣町の境。
そこに何があるというのだろう。
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小林 |
「隠れたか」
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北小岩 |
「はい、隠れました」
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町境には、身を潜めるためのブロックが、
いくつも置いてある。
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小林 |
「来たで」
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ひょろ長い男と小太りの男が
隣町の方から歩いてきた。
先生の町の者でも、隣町の者でもないようだ。
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ひょろ
長い男 |
「ここから町の名前が
かわったな」
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小太り
の男 |
「そうだね」
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ひょろ
長い男 |
「それにしても、急な坂だな」
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小太り
の男 |
「前に倒れちゃいそうだね」
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どっ
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ひょろ
長い男
&
小太り
の男 |
「ああ〜〜〜!」
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き〜ん き〜ん
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ひょろ
長い男 |
「痛え〜〜〜!」
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小太り
の男 |
「つぶれた〜!」
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二人は急所を押さえながら、
のたうち回っている。
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小林 |
「ぎゃははは」
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北小岩 |
「あははは」
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女性A |
「おほほほ」
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女性B |
「うふふふ」
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他のブロックに隠れた女性たちも笑っている。
どういうことなのだろう。
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北小岩 |
「町議会も
たまにはいいことを
してくれますね」
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小林 |
「そやな。
町の予算をつかって
町境に傾斜をつくり、
男がつっかかって
倒れるようにし」
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北小岩 |
「ちょうどおちんちんを
打つように、
杭を打ったので
ございますね」
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小林 |
「誰もが隠れて見られるように、
ブロックも完備や」
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北小岩 |
「町の人たちが
笑って明るい気分に
なりたい時には、
ここに来ればよいのですから」
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小林 |
「男女関係なく、
ちんちんを打ったやつをみると
笑ってしまうからな」
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町の予算でそんなものを・・・。
なんなんでしょ、この町って。 |