北小岩 |
「この音は
何でございましょうか」
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ぷつんぷつん
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北小岩 |
「音だけでは
わからないと存じますが、
わたくしの下の毛を
上方に引いたところ、
簡単に抜けて
しまったのでございます」
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ぷつんぷつんぷつん
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北小岩 |
「若い頃に比べ、
とても脆弱になっている気が
いたします」
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小林 |
「真昼間から、
ちんぽいじっとるんやないで」
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北小岩 |
「あっ、先生。
実はわたくしのアンダー毛が、
弱っているようなのです」
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小林 |
「お前の枯草など、趣がゼロや」
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北小岩 |
「風流なものがあるのですか」
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小林 |
「遅れとるな。
俺の知り合いで、
進んだ毛のやつがおる。
話を聞きにいこか」
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師弟は玉金のわきを指で何度もこすり、
ほのかに匂うイカ臭さを動力に
『仁字路毛進(じんじろげすすむ)』氏の
もとを訪れた。
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北小岩 |
「お忙しいところ
大変申し訳ございません。
恥毛の趣につきまして、
おうかがいしたいのですが」
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仁字路
毛進 |
「それに関しては
こちらをご覧ください。
私の四季です」
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師弟は差し出された4枚の写真を凝視した。
1枚目は春。
若葉のように生えたばかり。
2枚目は夏。
元気よく伸びた陰毛に葉が茂る。
3枚目は秋。
食べられるのかわからない実がなる。
4枚目は冬。
枯れ木のように。
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仁字路
毛進 |
「品種改良して、
四季が楽しめるように
したのです」
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北小岩 |
「なんと!
先生、ご覧ください」
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小林 |
「むっ!
地面に生えてるものは」
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北小岩 |
「陰毛に間違いございません」
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仁字路
毛進 |
「わたしの陰毛の種が
落ちて育ったのですね」
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北小岩 |
「このように股間以外で
繁殖していく様を
拝見したのは、
初めてでございます」
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仁字路
毛進 |
「それにより、
陰毛もワビサビの世界に
仲間入りしました」
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北小岩 |
「どういうことでございましょうか」
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氏が部屋の奥から何かを運んできた。
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小林 |
「盆栽やな」
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北小岩 |
「つるつるした石が、
おちんちんと玉金を表現。
下から伸びる陰毛との
コントラストが見事でございます」
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小林 |
「幽玄なる世界やな」
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こんなところで使われるのは、
幽玄という言葉にとっても迷惑至極であろう。
それにしても、
常日頃変化の少ない陰毛を、
四季ごとに楽しもうという試みは、
今後評価されることになるかもしれない。 |