KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百拾七・・・透明性

「では始めますね」

女性有識者会議。
先生の町では、重要なことは長老が決めるのだが、
氏がえげつないエロ本を入手し、
みだらな行為に夢中な時は女性たちが
会議を行い決定するのである。

女性
有識者
「近頃町会費に
 使途不明金が
 出ているらしいのよ」
女性
有識者
「金が出たというから、
 下の方かと思ったわよ」
女性
有識者
「わたしもよ」
女性
有識者
「ひとくちに金玉といっても、
 誰のものかによって
 価値が変わってくるわよね」
女性
有識者
「当然よ」
女性
有識者
「フンコロガシに
 転がされればいいのに
 っていう金もあるわね」
女性
有識者
「愛しい人のは、
 床の間に飾っておきたいわね」
女性
有識者
「ほんとね」

これがほんとに有識者会議なのだろうか。

女性
有識者
「容疑者が
 しらばっくれてるのよ」
女性
有識者
「そうなんだ」
女性
有識者
「ブラックボックスを
 つくらないように、
 町の男たちには
 透明性が必要よね」
女性
有識者
「そうよね」
女性
有識者
「でもどうしたら
 いいのかしら」
女性
有識者
「名案があるわ」

やっとまともに意見が収斂されたようだ。

それから三カ月後。

小林 「広場におふれが出とったの
 見たか」
北小岩 「はい、拝見いたしました」
小林 「明日から男はフルチン、
 もしくはスケルトンの下着
 &ズボンを履かないと
 ならんらしいな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「さっき公衆便所に
 寄ったんやが、
 壁がとっぱらわれていたな」
北小岩 「おまけに便器も
 すべて透明になっておりました」
小林 「女たちに
 完全に見られてしまうな」
北小岩 「町の男たちの透明性を
 徹底するために、
 女性有識者会議で
 議決されたらしいです」
小林 「まいったな」
北小岩 「おちおち町も歩けませんね」
小林 「そやな」

もう少しまともかと思ったら、
この町の女性有識者もかなりくだらなかった。
こんな町でも、町として成立するから、
不思議ですね。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2018-07-01-SUN

BACK
戻る