KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百拾八・・・浜辺にて

小林 「海水浴場がある町の女子部と、
 俺たちの町の女子部が、
 仲ええらしいな」
北小岩 「そうみたいですね」
小林 「姉妹町宣言したらしいで」
北小岩 「うかがっております」
小林 「両町とも女ボスは、
 金玉空手の有段者や」
北小岩 「逆らわないほうが
 よいですね」
小林 「そやな」

金玉空手とは、女が金玉を破壊することだけを
目的に始まった武道である。
それを武道というかは、賛否分かれるところだが。

小林 「姉妹町になった記念に、
 俺たちの町から
 選りすぐりの男たち五人が
 海水浴場に招かれたわけや」
北小岩 「先生とわたくし、
 その他三名でございますね」
小林 「勇者やな」
北小岩 「なぜわたくしたちなので
 ございましょうか」
小林 「当たり前やろ」
北小岩 「当たり前と申しますと」
小林 「当然、
 俺たちのカラダが目当てや」

そんなことは天変地異が起こり、
地表にいやらしい割れ目ができたところで
あり得ないであろう。

師弟が電車に乗り込むと、
すでにその他三名が座っていた。
カッコ悪くてモテない男たち五名が
電車に揺られていく。

小林 「着いたな」


駅の前がすぐに浜辺になっている。

「よくいらっしゃいました」

股の奥が見えそうな
ハレンチな水着の女が迎える。

「ではシャワーを
 浴びてきてください」
小林 「いよいよやな」


五人の鼻の下が伸びる。

シュー

 

小林 「むっ、シャワーから
 ガスが出てきよった」
北小岩 「眠くなってまいりました」

催眠ガスを吸わされた五人は、目を覚ますと
砂浜に仰向けに寝かされていた。
全裸で手足を棒に括りつけられている。

「今年の夏は、
 スイカ割りはやめて
 タマ割りにするのよ。
 予行練習にちょうどいいわ」

目隠しをした五人のビキニ姿の女たちが、
棍棒を振り下ろす。

キーン

小林&
北小岩
&その
他三名
「うぎゃ〜〜〜」

海水浴場のある町の女たちが、
先生の町の女たちに生贄を選んで
送って欲しいと打診し、
先生たちが選ばれただけであった。

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2018-07-08-SUN

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