KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百弐拾四・・・醸造

ぶうう〜

股間に携帯扇風機の風をあてている男が、
先生の家の門をくぐった。

とんとん

「入ってますか」

北小岩 「入ってますよ」

「こんにちわれ目〜」

北小岩 「その軽妙洒脱な
 ごあいさつは・・・。
 万開(まんびらき)社長で
 ございますね」

どこが軽妙洒脱なのか・・・

「ねがいましては〜
 股を開いて〜
 力を抜いて〜」

北小岩 「ソロバンのようですが、
 まったく違いますね。
 あははは」

この社長、能天気という意味では、
憎めなくもない。

小林 「万開やないか」
万開
社長
「あっ、先生。
 たまには出かけませんか」
小林 「生ストリップか」
万開
社長
「それもいいですが、
 醸造所に行きましょうよ」
北小岩 「お酒やお味噌や
 お醤油ですね」
万開
社長
「そうだね」
小林 「食い物にも
 ありつけるかもしれんし、
 たまにはええな」

師弟は社長の車に乗り込んだ。

万開
社長
「まずお酒の醸造所に
 行ってみましょう」
北小岩 「はい」
万開
社長
「そこはちょっと
 変わっていてね。
 醸造中にお酒にあることを
 してあげるんだよ」
北小岩 「わたくし、
 書物で読んだことがございます。
 モーツァルトを聴かせるので
 ございましょう」
万開
社長
「行ってみてのお楽しみだね」

ブ〜ン

万開
社長
「着いたな」

社長は醸造所の所長と懇意らしく、
ずんずん中へ入っていく。

北小岩 「うわ〜。
 ここにいるだけで
 酔いそうです。
 しかし、モーツァルトは
 かかっておりませんね」

ざっざっざっ

北小岩 「むっ!
 益荒男たちが
 大勢入ってまいります。
 それも全裸でございます」
万開
社長
「ここではね、
 一日に何度か
 立派なちんちんを
 酒に見せるんだよ」

北小岩 「どんな効果があるので
 ございますか」
万開
社長
「ほんのり
 イカ臭くなるんだよ。
 天然のスルメ酒みたいな
 もんかな」
北小岩 「・・・」

その後、味噌や醤油の醸造所も
まわりましたが、同じように
巨大なちんちんを
たくさん見せていたのですね。
あまり飲んだり食べたりしたくないものが
できあがる気がしますね。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2018-08-19-SUN

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