ぶうう〜
股間に携帯扇風機の風をあてている男が、
先生の家の門をくぐった。
とんとん
「入ってますか」
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北小岩 |
「入ってますよ」
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「こんにちわれ目〜」
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北小岩 |
「その軽妙洒脱な
ごあいさつは・・・。
万開(まんびらき)社長で
ございますね」
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どこが軽妙洒脱なのか・・・
「ねがいましては〜
股を開いて〜
力を抜いて〜」
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北小岩 |
「ソロバンのようですが、
まったく違いますね。
あははは」
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この社長、能天気という意味では、
憎めなくもない。
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小林 |
「万開やないか」
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万開
社長 |
「あっ、先生。
たまには出かけませんか」
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小林 |
「生ストリップか」
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万開
社長 |
「それもいいですが、
醸造所に行きましょうよ」
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北小岩 |
「お酒やお味噌や
お醤油ですね」
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万開
社長 |
「そうだね」
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小林 |
「食い物にも
ありつけるかもしれんし、
たまにはええな」
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師弟は社長の車に乗り込んだ。
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万開
社長 |
「まずお酒の醸造所に
行ってみましょう」
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北小岩 |
「はい」
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万開
社長 |
「そこはちょっと
変わっていてね。
醸造中にお酒にあることを
してあげるんだよ」
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北小岩 |
「わたくし、
書物で読んだことがございます。
モーツァルトを聴かせるので
ございましょう」
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万開
社長 |
「行ってみてのお楽しみだね」
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ブ〜ン
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万開
社長 |
「着いたな」
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社長は醸造所の所長と懇意らしく、
ずんずん中へ入っていく。
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北小岩 |
「うわ〜。
ここにいるだけで
酔いそうです。
しかし、モーツァルトは
かかっておりませんね」
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ざっざっざっ
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北小岩 |
「むっ!
益荒男たちが
大勢入ってまいります。
それも全裸でございます」
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万開
社長 |
「ここではね、
一日に何度か
立派なちんちんを
酒に見せるんだよ」
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北小岩 |
「どんな効果があるので
ございますか」
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万開
社長 |
「ほんのり
イカ臭くなるんだよ。
天然のスルメ酒みたいな
もんかな」
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北小岩 |
「・・・」
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その後、味噌や醤油の醸造所も
まわりましたが、同じように
巨大なちんちんを
たくさん見せていたのですね。
あまり飲んだり食べたりしたくないものが
できあがる気がしますね。 |