KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百弐拾七・・・異変

北小岩 「先生が生きてこられた中で、
 異変が起きたと感じたことは
 ございますか」
小林 「あるな」
北小岩 「どういうことで
 ございましょう」
小林 「俺が子どもの頃にな、
 高度経済成長と
 呼ばれるものがあったんや」
北小岩 「噂にはうかがっております」
小林 「公害もひどくてな」
北小岩 「写真で見たことがございます」
小林 「そんな時に、
 異変が起きたんや」
北小岩 「公害の中での異変・・・。
 凄まじそうですね」
小林 「確かに
 凄まじいといえば凄まじい」
北小岩 「うかがいたいような。
 うかがいたくないような。
 しかし、わたくし、
 勇気を奮ってうかがいます」
小林 「俺は子どもだったからな。
 当事者たちに
 直接聞いてみるか」

二人はそれぞれのイチモツを両手で挟み、
きりもみ式で火を起こすようにぐりぐりし、
そのねじれ感覚を動力に、
当事者たちがたまっている町内会館まで走った。

北小岩 「この建物の中に
 証言者がいらっしゃるのですね」
小林 「あそことあそこにおるわ」
北小岩 「あそこと申しましても、
 女性のあそこでは
 ございませんね」
小林 「そやな」
北小岩 「エッチそうな
 おじいさんたちですね。
 申し訳ございません。
 高度経済成長の時に
 異変が起きたと
 うかがっておりますが」
エッチ
そうな
おじい
さんA
「空気が汚れてしまっていてな」
北小岩 「そうでしょうね」
エッチ
そうな
おじい
さんA
「鼻毛が伸びたんだよ」
北小岩 「汚れた空気の
 フィルターとなったから
 でしょうか」
エッチ
そうな
おじい
さんA
「そうだと思うんだけど、
 どんどん伸びてね」
北小岩 「どうなったのですか」
エッチ
そうな
おじい
さんA
「しまいに女の乳首に
 からみついてしまったんだよ。
 俺に罪はないのに、
 殴られたよ」

北小岩 「そうなのでございますか!
 災難でございましたね。
 あちらの方にも
 うかがってみましょう。
 高度経済成長の時に
 異変が起きたと
 うかがっておりますが」
エッチ
そうな
おじい
さんB
「鼻毛がどんどん伸びてね」
北小岩 「どうなったのですか」
エッチ
そうな
おじい
さんB
「しまいに
 女のパンティの中に
 入ってしまったんだよ。
 俺に罪はないのに、
 殴られたよ」
北小岩 「・・・」


罪を憎んで人を憎まず。
そんな言葉が頭に浮かぶが、
このケースはそれに当てはまらない気もする。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2018-09-09-SUN

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