小林 |
「実りの秋やな」
|
北小岩 |
「そうでございますね」
|
小林 |
「お前はなんか実ったか」
|
北小岩 |
「実ったとは
言い切れないのですが」
|
小林 |
「言うてみい」
|
北小岩 |
「わたくしの玉金が、
ぎんなんのように
なった気がするのです」
|
小林 |
「ほほう。食えるんかい」
|
北小岩 |
「それはわからないのですが、
香りがそっくりなので
ございます」
|
ただ単に金玉が腐りかけているだけだろう。
ざっざっざっ
|
北小岩 |
「あそこをご覧ください!」
|
小林 |
「町の男たちが恐れている
女どもの行列やな」
|
北小岩 |
「先頭は男たちの
千金玉潰しを達成した
猛者でございます」
|
小林 |
「やはりそうだったか」
|
北小岩 |
「どういうことでございますか」
|
小林 |
「あいつらは俺たちのことを
たるんだ軟弱者やと
憎んどるんや。
それで町の男たちに
喝を入れるために、
『町内喝会議』が
開かれたらしい。
何を決定したかわからんが、
それを実行しようとしとる」
|
北小岩 |
「あそこに『喝会場』と
書かれております」
|
がっ
|
北小岩 |
「先生!」
|
屈強な女たちに腕をつかまれ、
先生は強引に会場内に連れていかれた。
|
小林 |
「なんや!」
|
台の上に乗せられる。
目の前には1コースしかない
プールのようなものがある。
|
屈強な
女 |
「それを履け!」
|
足元には水蜘蛛が置いてあった。
他の女たちが先生の股間に
毒矢を向けているので、拒否できない。
仕方なく履くと。
|
屈強な
女 |
「水面を歩け!」
|
小林 |
「不穏な色しとるやないか。
それに臭うで。
もしかするとこれは」
|
屈強な
女 |
「もしかしなくても
肥溜めだよ。
おめえら弱っちすぎるんだよ。
それで向こうまで渡れ。
そうすれば今回の喝は
終わりにしてやるよ」
|
先生が鬼の形相で挑む。
火事場の馬鹿力とでもいうのであろうか。
|
|
|
屈強な
女 |
「いざとなれば
結構やるじゃねえか。
でも、これからが本番だ!」
|
どこからか撞木部隊が現れ、
釣鐘を突くように肥溜めプールの横に
ど〜んとぶつけた。
ばしゃ
|
小林 |
「顔にかかったやないか!」
|
屈強な
女 |
「おめえは
こきたねえ性欲の
持ち主だから、108回いくぞ」
|
ど〜ん
ぐらっ
|
小林 |
「うお〜〜〜」
|
バランスを崩した先生は、
肥溜めに沈んでいった。 |