KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百参拾弐・・・喝

小林 「実りの秋やな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「お前はなんか実ったか」
北小岩 「実ったとは
 言い切れないのですが」
小林 「言うてみい」
北小岩 「わたくしの玉金が、
 ぎんなんのように
 なった気がするのです」
小林 「ほほう。食えるんかい」
北小岩 「それはわからないのですが、
 香りがそっくりなので
 ございます」

ただ単に金玉が腐りかけているだけだろう。

ざっざっざっ

北小岩 「あそこをご覧ください!」
小林 「町の男たちが恐れている
 女どもの行列やな」
北小岩 「先頭は男たちの
 千金玉潰しを達成した
 猛者でございます」
小林 「やはりそうだったか」
北小岩 「どういうことでございますか」
小林 「あいつらは俺たちのことを
 たるんだ軟弱者やと
 憎んどるんや。
 それで町の男たちに
 喝を入れるために、
 『町内喝会議』が
 開かれたらしい。
 何を決定したかわからんが、
 それを実行しようとしとる」
北小岩 「あそこに『喝会場』と
 書かれております」

がっ

北小岩 「先生!」

屈強な女たちに腕をつかまれ、
先生は強引に会場内に連れていかれた。

小林 「なんや!」

台の上に乗せられる。
目の前には1コースしかない
プールのようなものがある。

屈強な
「それを履け!」

足元には水蜘蛛が置いてあった。
他の女たちが先生の股間に
毒矢を向けているので、拒否できない。

仕方なく履くと。

屈強な
「水面を歩け!」
小林 「不穏な色しとるやないか。
 それに臭うで。
 もしかするとこれは」
屈強な
「もしかしなくても
 肥溜めだよ。
 おめえら弱っちすぎるんだよ。
 それで向こうまで渡れ。
 そうすれば今回の喝は
 終わりにしてやるよ」

先生が鬼の形相で挑む。
火事場の馬鹿力とでもいうのであろうか。

 
屈強な
「いざとなれば
 結構やるじゃねえか。
 でも、これからが本番だ!」

どこからか撞木部隊が現れ、
釣鐘を突くように肥溜めプールの横に
ど〜んとぶつけた。

ばしゃ

小林 「顔にかかったやないか!」
屈強な
「おめえは
 こきたねえ性欲の
 持ち主だから、108回いくぞ」

ど〜ん

ぐらっ

小林 「うお〜〜〜」

バランスを崩した先生は、
肥溜めに沈んでいった。

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2018-10-14-SUN

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