女 |
「きゃ〜っ!」
|
スーパーから叫び声がする。
|
小林 |
「おなごやな」
|
北小岩 |
「わたくしたちに
助けを求めている気が
いたします」
|
小林 |
「助かったあかつきには、
俺たちのカラダを
求めるんやろな。
いくで!」
|
北小岩 |
「相手は凶器を
持っているかもしれません。
先生もお気をつけください」
|
ダダッ
師弟が飛び込む。
|
小林 |
「犯人はどこや!」
|
北小岩 |
「女性の方はお逃げください。
みなさまが逃げた後、
わたくしたちも逃げます」
|
小林 |
「むっ?
様子が変や」
|
ぴゅっ ぴゅっ
|
女A |
「きゃ〜、やめてよ!」
|
小林 |
「犯人は人間やない」
|
北小岩 |
「貝のようでございます」
|
小林 |
「たくさんの貝が、
消防車のように
潮をふいとるな」
|
北小岩 |
「ミニスカ女性の
パンティの秘所に
放水しております」
|
女B |
「いやっ!」
|
小林 |
「むこうはなんや?」
|
北小岩 |
「貝が入水管と出水管を伸ばし、
パンティの中で
悪さしようとしております」
|
女C |
「なんでよ〜!」
|
小林 |
「あの女ノーブラやな」
|
女C |
「ハマグリがふたつ、
両乳首を挟んで
とれないのよ」
|
女D |
「そのままTシャツを着たら、
巨大な乳首に見えて、
乳首おばけだと
思われてしまうわ」
|
女E |
「わたしたちは貝に
下着の中に入られたわ」
|
女F |
「大切なところに
ふたをするように
はまりこんでとれない!」
|
女E |
「貞操帯みたいな
役割をしちゃうわ」
|
女F |
「今日彼とデートなのに、
おたのしみが
できなくなっちゃう」
|
小林 |
「いったいどういうこっちゃ」
|
北小岩 |
「貝さんに聞いてみます。
もしもし貝さん」
|
貝 |
「なんだ」
|
北小岩 |
「どうしてそんな悪さを
するのですか」
|
貝 |
「俺たちが何もしていないのに
熱湯で開かされたり、
グロテスクな目に
あってるだろ。
だから逆襲してるんだよ」
|
このような形で貝が反撃するとは。
この町ならではという気がしないでもないが、
とにかくなりゆきを見守らねばならないであろう。 |