KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百参拾九・・・結婚

北小岩 「先生、
 大変でございます!」
小林 「なんや」
北小岩 「信じられないことが
 起こりました」
小林 「下着を履いてないおなごが、
 200人ぐらい
 押しかけてきたか」
北小岩 「それでしたら、
 僥倖でございます」
小林 「違うようやな」

先生が肩を落とす。
常人なら冗談で言うようなことを、
恥垢先生は本気で思っているようだ。

小林 「それで?」
北小岩 「珍宝煮追
 (ちんぽうにおう)氏が
 ご結婚されるそうです」
小林 「あの町で
 一番モテんやつがか!」
北小岩 「はい」
小林 「うう〜〜〜」
北小岩 「先生!」

ショックのあまり、
先生は石のように固まってしまった。

北小岩 「これから結婚式があり、
 先生とわたくしも
 招待されております」
小林 「そうか・・・」
北小岩 「準備をして出かけましょう」
小林 「祝儀を出さんとな」
北小岩 「先生とわたくしで、
 4円出しますか」
小林 「生活費がなくなるな。
 道すがら、
 綺麗な石でも拾って、
 それを祝儀にするか」
北小岩 「名案でございます」
小林 「あそこに
 茶色に光る
 不思議な石があるで」
北小岩 「てかてかして
 綺麗でございますね。
 むっ!
 これは犬の糞です。
 糞を踏んだ方が、
 石でこそぎ落として
 それがこびりついているので
 ございます」

夢がなさすぎるので、
話を先に進めよう。
式場は町にある空地である。

北小岩 「あそこでございます」
小林 「あんなモテないやつと
 結婚するのは、
 どういうやっちゃ?」
北小岩 「花嫁さんは
 まだいらしてないようで
 ございます」

花婿の前に姿見鏡が置かれている。

小林 「お前、誰と結婚するんや!」
町で
一番
モテ
ない男
「僕は誰からも
 モテないじゃないですか」
小林 「そやな!」
町で
一番
モテ
ない男
「だから、
 自分と結婚することに
 したんです」
北小岩 「なんと!」
小林 「夜の新婚生活は
 どないするんや!」
町で
一番
モテ
ない男
「鏡を見ながら、
 僕の中のお嫁さんが
 慰めるんです」
小林&
北小岩
「・・・」


どうでもいいお話でしたね。

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2018-12-02-SUN

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