ざっざっざっ
颯爽と歩く二人の男。
しかし、二人ともカッコ悪い。
カッコ悪いといえばこの二人。
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小林 |
「駅に俺のエロ本が
届いとるはずや」
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北小岩 |
「貴重なエロ本を、
電車の中に
忘れてしまったので
ございますね。
盗まれていないとよいですね」
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小林 |
「その危険はあるな」
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北小岩 |
「ここでございますね」
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師弟は駅の落とし物センターに入っていった。
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小林 |
「俺のエロ本が届いとらんか」
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係員 |
「どのようなエロ本ですか」
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小林 |
「声を出して言うのは
憚られるな」
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係員 |
「もしかするとこれですか」
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小林 |
「そやな」
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係員 |
「あまりに
えげつないものなので
警察に相談しました。
このエロ本の持ち主が
現れたら
通報するように
言われております」
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先生は係員から受話器を取り上げ。
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小林 |
「よく見たら
それは俺のやない。
勘違いや。
北小岩行こうか」
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先生がダッシュをかけて
逃げようとした矢先、
カップルが駆け込んできた。
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男 |
「ちんちんを
落としたのですが」
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係員 |
「どのようなモノですか」
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男 |
「小ぶりで細めで」
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男の話を遮り。
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女 |
「特大です」
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係員 |
「極小、小、並、大、特大が
届いておりますが、
こちらですか」
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女 |
「それです!」
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女は嘘をつき、
特大を持ち去ろうとした刹那、
別の男と女が入ってきた。
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別の男 |
「待てよ。
それは俺が落とした
イチモツだよ」
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別の女 |
「あんたの男のなんて
粗ちんでしょ。
なんでそれを持っていくのよ」
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女 |
「これは私の男の
ちんちんよ。
ふざけないでよ!」
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別の女 |
「こんなことも
あろうかと思って、
裏筋に名前を
書いておいたのよ。
見てみなさいよ」
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女が裏筋を凝視する。
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女 |
「え〜と、『魔羅』。
彼の苗字よ。
これでいいわね。
持ってくわよ」
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別の女 |
「待ちなさいよ。
名前はなんて
書いてあるのよ」
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女 |
「え〜、太長。
魔羅太長
(まらふとなが)・・・」
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別の女 |
「あんたんとこの名前は」
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女 |
「魔羅細短
(まらほそみじ)・・・」
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ぐいっ
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女 |
「あっ!」
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別の女が、女から特大を奪い取った。
特大は刺激をうけ、
超特大になっていた。 |