KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百伍拾伍・・・落とし物

ざっざっざっ

颯爽と歩く二人の男。
しかし、二人ともカッコ悪い。
カッコ悪いといえばこの二人。

小林 「駅に俺のエロ本が
 届いとるはずや」
北小岩 「貴重なエロ本を、
 電車の中に
 忘れてしまったので
 ございますね。
 盗まれていないとよいですね」
小林 「その危険はあるな」
北小岩 「ここでございますね」

師弟は駅の落とし物センターに入っていった。

小林 「俺のエロ本が届いとらんか」
係員 「どのようなエロ本ですか」
小林 「声を出して言うのは
 憚られるな」
係員 「もしかするとこれですか」
小林 「そやな」
係員 「あまりに
 えげつないものなので
 警察に相談しました。
 このエロ本の持ち主が
 現れたら
 通報するように
 言われております」

先生は係員から受話器を取り上げ。

小林 「よく見たら
 それは俺のやない。
 勘違いや。
 北小岩行こうか」

先生がダッシュをかけて
逃げようとした矢先、
カップルが駆け込んできた。
「ちんちんを
 落としたのですが」
係員 「どのようなモノですか」
「小ぶりで細めで」

男の話を遮り。

「特大です」
係員 「極小、小、並、大、特大が
 届いておりますが、
 こちらですか」
「それです!」


女は嘘をつき、
特大を持ち去ろうとした刹那、
別の男と女が入ってきた。

別の男 「待てよ。
 それは俺が落とした
 イチモツだよ」
別の女 「あんたの男のなんて
 粗ちんでしょ。
 なんでそれを持っていくのよ」
「これは私の男の
 ちんちんよ。
 ふざけないでよ!」
別の女 「こんなことも
 あろうかと思って、
 裏筋に名前を
 書いておいたのよ。
 見てみなさいよ」

女が裏筋を凝視する。

「え〜と、『魔羅』。
 彼の苗字よ。
 これでいいわね。
 持ってくわよ」
別の女 「待ちなさいよ。
 名前はなんて
 書いてあるのよ」
「え〜、太長。
 魔羅太長
 (まらふとなが)・・・」
別の女 「あんたんとこの名前は」
「魔羅細短
 (まらほそみじ)・・・」

ぐいっ

「あっ!」


別の女が、女から特大を奪い取った。
特大は刺激をうけ、
超特大になっていた。

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2019-03-24-SUN

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