すやすや
峠道に倒れているお地蔵様のような顔で
眠っているのは、弟子の北小岩くんであった。
むくっ
股間が膨らんだようだ。
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北小岩 |
「うひひひ」
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顔がにやけている。
確実にいえることは、
性夢を見ているということだ。
ぱらぱら
カラダから何か落ちたようである。
はっくしょん
だらりん
性夢は終わった。
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北小岩 |
「目が覚めてしまいました。
性夢が心の銀幕に
映し出されて
いたのですが・・・。
あっ、わたくしの布団が
落ちております」
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布団であって布団でない。
つまり北小岩くんと先生は、
所持金が2円ずつしかないため
掛布団を買えず、
木の葉を集めてきて
カラダにのせて寝るのである。
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北小岩 |
「すぐにカラダから
落ちてしまうのです。
スースーしてしまいます」
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小林 |
「お前、朝っぱらから
女性の秘所を
スースーしたいと
いったな」
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北小岩 |
「先生、違います。
布団が落ちて
起きてしまったのです。
どうにかなりませんか」
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小林 |
「布団屋にいけば
いらなくなったものを
くれるかもしれん。
行ってみよか」
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二人は町はずれにある店に入っていった。
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女性
店員 |
「今、最先端技術を駆使した
布団の見本が届きました。
ある恥ずかしいところに入った
感触を味わえる布団です。
お試しになりませんか」
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小林 |
「聞いたか」
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北小岩 |
「はい」
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小林 |
「恥ずかしいといえば、
あそこしかないな」
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北小岩 |
「間違いございません」
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小林 |
「俺からイクわ」
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先生が穴状の布団に入ると
カラダが締め付けられ、
身動きがとれなくなった。
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女性
店員 |
「カラダ全体が
おしりの穴に
入った感触を味わえる
肛門布団です」
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小林 |
「なにっ!」
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時すでに遅し。
先生は穴の中に顔まで入っている。
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小林 |
「押し出されそうで
押し出されない
嫌な感触や!」
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女性
店員 |
「スイッチオン!」
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もわもわ
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小林 |
「くっ、臭え!
大便の臭いや」
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女性
店員 |
「臭いアップ!」
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もわもわもわもわ
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小林 |
「臭いにもほどが・・」
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先生は肛門布団の中で気を失った。
こんなしょうもない布団でも、
世界のどこかに
買う人がいるのかもしれませんね。 |