にこにこ
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北小岩 |
「太陽さんが微笑んでおります。
今日のようなお天気を、
なんというのでしたか。
え〜と、梅雨の〜、梅雨の〜」
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小林 |
「梅雨の中折れや」
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北小岩 |
「あっ、先生。
そうでございました」
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小林 |
「常識はすぐに
取り出せるようにしとかな
あかんな」
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北小岩 |
「ありがとうございます」
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常識がない人の常識に、耳を傾けるのはやめたい。
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小林 |
「近頃、
町に評判の悪いヤツが
おるらしいな」
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北小岩 |
「お侍さんの末裔らしいですね」
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小林 |
「様子を見に行くか」
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二人が向かったのは商店街であった。
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侍の
末裔 |
「おい」
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店主 |
「らっしゃい」
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侍の
末裔 |
「らっしゃいじゃねえだろ。
俺を誰だと思ってるんだ」
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店主 |
「お客さんでしょ」
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侍の
末裔 |
「お客さんじゃねえよ。
侍の末裔だよ」
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店主 |
「えっ?」
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侍の
末裔 |
「世が世なら、
商人は俺が通ったら
額を地面にこすりつけてなきゃ
ならねえんだよ」
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北小岩 |
「ひどいでございますね」
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小林 |
「許せんな」
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「侍の末裔さん、
古文書が見つかりました」
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侍の
末裔 |
「俺の先祖が
どれだけ偉かったか、
学者に調べさせたんだよ。
で、どうだった?
大名か?」
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学者 |
「あなたの先祖は
確かにお侍さんでした」
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侍の
末裔 |
「当然だろ」
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学者 |
「しかし、もとは商人でした」
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侍の
末裔 |
「えっ?」
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学者 |
「陰毛が2メートルあって、
それを聞いた殿様が
面白がって
侍にしたそうです」
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侍の
末裔 |
「・・・」
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学者 |
「陰毛をお尻の方にまわし、
そこから頭に持ってきて、
陰毛でちょんまげを
結っていたため
『ちょんまげ陰毛侍』と
呼ばれていました」
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北小岩 |
「ぷっ!」
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学者 |
「登城の途中で
伸びた陰毛を踏んでしまい、
その勢いで金玉を
老中に見せてしまいました。
切腹という噂もあったのですが、
お目こぼしで
陰毛を剃られる断髪となり、
再び商人に戻されたそうです」
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小林 |
「おい、こら陰毛侍!
逃げるな!!」
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先生の町(村)には、
ユニークなお侍さんがいたのですね。 |