小林 |
「そろそろやないか」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「食料が乏しくなっとるからな」
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北小岩 |
「命の綱でございますね」
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ちりんちりん
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小林 |
「来たな」
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「お中元です!」
先生と弟子の所持金は、基本的に2円ずつ。
合計4円。当然、ひもじい生活なのだが。
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北小岩 |
「この時期だけは
豪華でございますね」
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なぜ豪華なのか。
先生は言わずと知れたエロ本の目利きである。
エロ本の見本市などでいち早く
えげつない掘り出し物の匂いを嗅ぎとり、
お金持ちの社長や政治家、
町の名士から預かった資金で
即座に購入するのである。
そんなこともあり、
彼らはこの時期感謝の気持ちを込めて
おいしいものをたくさん送ってくれるのだ。
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小林 |
「三カ月は
生き残れるわな」
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北小岩 |
「ありがたいことでございます」
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小林 |
「何箱もあるな。
開けてみい」
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北小岩 |
「はい」
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びりびり
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北小岩 |
「毎年、高級な焼き豚も
贈っていただいておりますね。
今年も・・・。
むっ!」
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小林 |
「どうしたんや」
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北小岩 |
「入っているのは
食べ物ではございません」
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小林 |
「何っ?」
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北小岩 |
「包丁です。
それも『お尻の割れ目で
挟んで使う包丁』と
書いてございます」
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小林 |
「なんやそれは!
ともかく使ってみい」
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弟子はふんどしをほどくと、
通常とは違う包丁を割れ目で挟んだ。
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小林 |
「そこにある
イモの根っこを切ってみい」
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弟子は割れ目に力を入れ、
腰を落としていった。
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北小岩 |
「う〜ん!
ぎょわ〜。
柄がお尻の穴の奥に
入ってしまう構造に
なっております!」
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小林 |
「しょうもないな。
こっちの箱は何や」
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入っていたのは、
おちんちん用の蚊取り線香だった。
先生が装着すると、
ちんちんにとぐろを巻く形になった。
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北小岩 |
「お隣さんから拝借したマッチで
火をつけてみます」 |
シュッ ぐるぐるぐる
凄まじい勢いで、火が進んでいった。
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小林 |
「あちい!
ちんちんが
大火事や!!」
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中身は食料だったはずですが、
誰がすり替えたのでしょうね。 |