小林 |
「虫の音が聴こえるな」
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北小岩 |
「そうでございますね」
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小林 |
「メスに求愛しとるんやな」
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北小岩 |
「愛を奏でるなんて、
ロマンチックでございますね」
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小林 |
「ロマンチックなどではなく、
オマンチックや」
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北小岩 |
「毎年先生は、
真昼間から乳繰りやがって!
とお怒りになりますが、
よもやそんな
子どもじみたことは今年は」
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ざざざざっ
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北小岩 |
「むっ、
草に分け入る音が」
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小林 |
「この野郎、
真昼間から
乳繰りやがって!」
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下半身に関することで、
先生に成長を望むのは酷であろう。
「先生と北小岩さん、こんにちは」
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北小岩 |
「大変ご無沙汰しております」
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ちちちちっ ちちちちっ
「虫たちが
乳繰りあおうとしてますね。
この野郎!」
先生のところを訪れる客も、
同レベルのようだ。
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同レベ
ルの人 |
「北小岩さんは、
海峡と聞いて
何を思い浮かべますか」
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北小岩 |
「演歌でしょうか」
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同レベ
ルの人 |
「そうですか。
実は私の故郷が
海峡に面しているのですが、
不思議なことが何年も、
それも毎日続けられて
いるらしいのです。
お二人にそれを
確かめてきてほしいのです」
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同レベルの人は、
帰省中の大量の下着泥棒が発覚し、
それ以来故郷に戻れないのだ。
先生と弟子は
交通費とお弁当代をもらい、
海峡へと向かった。
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北小岩 |
「不思議って
何でしょうか」
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小林 |
「ちんちんな
予感がするな」
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北小岩 |
「海峡が見えて
まいりました」
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小林 |
「あそこを見てみい」
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ばしゃばしゃばしゃ
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北小岩 |
「あわびを模した
巨大な浮き輪を、
大勢の女性が
バタ足で押しております」
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小林 |
「その後ろには、
ちんちん型の
巨大なモノが
つながれとる」
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浜辺に
立って
いた
おじい
さん |
「海峡の向こうで
69分滞在し、
こちらに戻って
きたときには
ちんちんが黒く
なっとるんじゃよ。
それを毎日続けとるから、
凄まじく
黒光りしとるんじゃよ」
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北小岩 |
「海峡の向こうで
何が行われて
いるのでしょうか」
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小林 |
「それは謎やが、
69という数字が
キーであることは
間違いないやろな」
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今後どこまでちんちんが黒くなるのか。
知りたい気もするが、
どうでもいい気もする。 |