KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百九拾弐・・・切手

北小岩 「今日は久しぶりに
 友人のお宅を
 訪問いたします」

とんとん

北小岩 「入ってますか」
友人 「入ってますよ」

がらっ

北小岩 「お元気ですか」
友人 「元気だよ。
 君も元気そうだね」
北小岩 「たまに玉が
 元気じゃない時が
 ございますが、
 その他は元気でございます」

こ〜ん こ〜ん

北小岩 「けん玉でございますね」
友人 「今、
 いろんなけん玉を
 集めているんだ」
北小岩 「凄い数でございますね!
 この重たそうなけん玉は?」
友人 「砲丸でできた
 けん玉なんだよ。
 力がいるんだ。
 えいっ」

ぶちっ ご〜ん

北小岩 「うぐっ!
 つないである針金が
 外れて、
 砲丸が金玉に
 ぶつかりました!!」

北小岩くんの玉などどうでもいいので、
話を進めましょう。
帰宅した弟子は。

北小岩 「先生!
 友人が
 けん玉コレクションして
 おりました。
 わたくしも何か
 集めようと思いまして。
 切手が似合っているのでは
 ないかと思います」
小林 「そやな」
北小岩 「先生は
 持ってらっしゃいますか」
小林 「実は小学生の頃、
 おこづかいでせっせと
 買い集めておってな。
 そや、お前に全部やるわ。
 どこやったかな」
北小岩 「押し入れで
 見たことがございます。
 とってまいります」

がらっ

北小岩 「ございました」
小林 「立派なコレクションやろ。
 小学生やったから、
 高価なのは
 使用済みのものしか
 買えんかったがな。
 自慢の切手はいくつもあるで。
 まずは『月に雁』や。
 カッコええやろ」
北小岩 「これは
 月に雁ではございません。
 『月に俺の雁』です。
 かなりの雁高です」

小林 「なに!
 むっ、いつの間に
 すり替えられたんや。
 『ビードロを吹く娘』 は
 どや」
北小岩 「吹いているのは
 ビードロではなく
 尺八です。
 男性のを吹いて」
小林 「『尺八を吹く娘』や。
 広重の東海道五十三次も
 あるはずや」
北小岩 「『東海道四十八手』に
 なっております」
小林 「国立公園シリーズは?」
北小岩 「公園に
 大きなおちんちんが
 たくさん勃っております」
小林 「それじゃ
 『屹立公園シリーズ』や
 ないか!」


先生の切手コレクションが、
何者かにすり替えられていた。
しかし、名作切手よりこちらの方が
先生にはお似合いであろう。

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2019-12-08-SUN

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