ぶるぶるぶる
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北小岩 |
「夜は
おちんちんが固まるほど冷えます」
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カチカチ
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北小岩 |
「この音は」
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小林 |
「火の用心やな」
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カチカチ
ぶつぶつ
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北小岩 |
「わたくしも
火の用心だと思ったので
ございますが」
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小林 |
「声が高らかに響かず、
ぶつぶつ言っとって
聞こえんな」
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カチカチ
ぶつぶつ ぶつぶつ
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北小岩 |
「複数でございますね」
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小林 |
「おなごの声やな」
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北小岩 |
「例年だと男性です」
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小林 |
「やな予感がするな」
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北小岩 |
「わたくし近くで
聞いてまいります」
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女A |
「雪の中で」
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女B |
「チンポに火を灯せ」
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北小岩 |
「小声でありながら、
不穏なことを
述べております」
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小林 |
「拍子木が
ちんちんの形をしとる。
下半身に危険を感じるな」
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案の定、深夜成人男性のいる各戸に
雪と芯とマッチが入った宅配便が届いた。
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小林 |
「手紙が入っとるな」
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北小岩 |
「え〜と
『町の男たちに告ぐ。
冬の町に火を灯せ。
外に出て仰向けになり、
雪でちんちんに
かまくらをつくり、
イチモツに芯をつけ
ロウソクのように火を灯せ。
実行しない場合は
わかってるな』」
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ちんちんの上にドクロの絵が描かれている。
ぶるぶるぶる
師弟が震えだした。
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小林 |
「やるしかないな」
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先生と弟子はもろ出しにし、
路上に寝転んだ。
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北小岩 |
「かまくらをつくります。
そして芯をセットし、
火をつけて」
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じりじりじり
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北小岩 |
「熱いでございます!」
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冬の道にポッと明かりが灯る。
そのような美しい光景には至らなかった。 |