小林 |
「あそこで老人が
金玉を握りつぶしあっとる」
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北小岩 |
「ハエがとまるぐらい
ゆっくりの動きですが、
確かに金玉を
握りつぶしあっております」
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よぼよぼの老人が
本気で金玉をつぶしあっている光景は、
餓鬼草紙を彷彿とさせる。
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小林 |
「我が町の長老と
隣町の長老や」
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北小岩 |
「ともかく止めなければ。
いかがいたしましたか!」
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町の
長老 |
「こいつが俺のちんちんを、
亀頭といっても
ミドリガメの頭ぐらいの
大きさだと馬鹿にしたんじゃ」
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隣町の
長老 |
「ほんとのことを
いっただけじゃ」
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先生の
町の
長老 |
「まだいうか!」
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北小岩 |
「ともかく隣町の長老様は
お戻りください。
わたくしたちの町の
長老様は、
祠にお帰りになりましょう」
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北小岩くんのとりなしにより、
大事を免れた。
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町の
長老 |
「わしのちんちんを
馬鹿にするやつはゆるさん!
いくさになった時のために、
特殊部隊結成じゃ!!」
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後日、先生と弟子は、
長老が組織した特殊部隊の見届け人として、
それぞれ満員電車と
満員エレベーターに配置された。
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小林 |
「満員電車で
ろくな目にあったこと
ないわな」
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がたんごとん ぷしゅー
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車掌 |
「まもなくドアが
閉まります。
駆け込み乗車は
おやめください」
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さっ どわどわ
ぷ〜! ぷ〜!
ぶほっ!ぶほっ!
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乗客A |
「なんだ、この臭いは!」
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乗客B |
「腐った屁だ!!」
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小林 |
「迷彩柄に
『屁』と大書された
服を着た部隊が突然現れ、
醸造された
特級の屁をこいて
脱出しよった!」
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乗客A |
「苦しい!」
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乗客B |
「助けてくれ〜!」
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電車のドアが閉まり、
待っていたのは阿鼻叫喚の
地獄であった。
エレベーター内の北小岩くんに
目を向けてみよう。
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北小岩 |
「よもやそのようなことは
あるまいと思いますが、
こんなに混んだエレベーターで
誰かが臭い屁をして
ドアが閉まったら、
とんでもないことに
なるでしょう」
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さっ どわどわ
ぷ〜! ぷ〜!
ぶほっ! ぶほっ!
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乗客A |
「なんだ、この臭いは!」
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乗客B |
「腐った屁だ!!」
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北小岩 |
「迷彩柄に『屁』と
大書された服を着た部隊が
突然現れ、
醸造された
特級の屁をこいて
脱出していきました!」
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乗客A |
「苦しい!」
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乗客B |
「助けてくれ〜!」
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エレベーターのドアが閉まり、
待っていたのは
阿鼻叫喚の地獄であった。
満員電車と満員エレベーター、
客たちはどちらもまったく
同じ反応だった。
この特殊部隊、
かなりアベレージが高いと
思わずにはいられない。 |