パタパタッ
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北小岩 |
「先生の本棚も
埃がたまっておりますね」
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パタパタパタッ
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北小岩 |
「先生は毎秒みだらなことを
考えていらっしゃいますが、
勉学に勤しんでいるところは
見たことはございません」
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パサッ
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北小岩 |
「本が落ちました。
むっ、
先生の蔵書は
エロ本しかないと
思っておりましたが、
これは違います」
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パラパラ
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北小岩 |
「論語でございます!」
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小林 |
「お前、
人のエロ本を
かっぱらおうとしとるな」
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北小岩 |
「あっ、先生。
それは違います。
先生の蔵書にエロ本以外が
混ざっていたのでございます」
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小林 |
「それか。
エロ本を
大量に購入したら、
おまけでついてきたんや」
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エロ本のおまけに論語というのは、
間違っていると思う。
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北小岩 |
「パラパラと
拝読いたしました。
『朋有り遠方より来る、
亦た楽しからずや』。
イメージがわたくしの中で
翼を広げました」
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小林 |
「ええ言葉やな」
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北小岩 |
「今、公園で芋煮会を
やっております。
わたくし、町の方々に
孔子様のお言葉を
伝道してまいります」
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だっだっだっ
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北小岩 |
「あそこにおられるのは、
珍宝太(ちんぽうふとし)さん
ですね。
こんにちは」
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珍宝 |
「おひさしぶり」
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北小岩 |
「珍宝さんは
『朋有り遠方より来る、
亦た楽しからずや』
というお言葉、
ご存知ですか」
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珍宝 |
「知ってるけどね。
来る『とも』によって、
『また楽しからずや』
のところが変わるんだよ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか。
意味がよくわかりません」
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珍宝 |
「若いころ、
友だちが遠くに
引っ越したんだよ」
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北小岩 |
「はい」
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珍宝 |
「ひさしぶりに
彼がやってきたら、
股が凄まじく
イカ臭くなっていたんだよ」
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北小岩 |
「そうなのですか」
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珍宝 |
「つまり
『朋有り遠方より来る、
股イカ臭いや』」
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北小岩 |
「げげっ!」
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珍宝 |
「弟の珍宝長
(ちんぽうながし)も
言ってたよ。
遠方に住んでる友だちが
訪れた時、
一緒に海に行ったら
海パンのわきから
『朋有り遠方より来る、
股毛ぼ〜ぼ〜や』
だったって。
友だちは昔から
陰毛自慢だったんだけど、
さらに伸びたんだね」
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北小岩 |
「・・・」
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珍宝氏も弟の名前を出すとき、
わざわざフルネームにする必要はないと思う。 |