小林 |
「世の中には
HDDというものがあること
知っとるか」
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北小岩 |
「わたくし、
存じませんでした」
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小林 |
「俺たちは
己の記憶が頼りやからな」
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北小岩 |
「記憶に関することなのですね」
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小林 |
「そやな」
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北小岩 |
「何かの略のようですね。
え〜と、わかりました!」
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小林 |
「お前いつの間にか
鋭くなったな。
言うてみい」
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北小岩 |
「はい。
『エッチ・ドバッ・ドバッ』
でしょうか」
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小林 |
「違うな。
勢いは相当感じるがな」
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北小岩 |
「エッチな気持ちが、
股間からドバドバ
あふれ出してくることかと
思いました。
そうでないとなると、
わたくしの想像が及びません。
ぜひ、ご教示ください」
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小林 |
「ハード・ディスク・ドライブや」
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北小岩 |
「近未来な響きで
ございますね!」
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この二人はたまたま現代に生きているものの、
実態は古墳時代の者たちと言っても
差し支えないであろう。
さらに言うならば、古墳ではなく、
小糞時代なのであるが。
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小林 |
「簡単に言うと、
記憶装置やな」
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北小岩 |
「そうでございますか。
わたくし、
HDDは備わっておりませんが、
エッチなことに関しましては
生まれつきの記憶装置で
まかなえます」
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小林 |
「ところがエッチな記憶も
脳だけでは万能やない」
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北小岩 |
「そうなのでございますか」
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小林 |
「先週、俺のエロ本仲間が
最先端研究所におると
言ったやろ」
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北小岩 |
「お会いする前に
研究所の女性たちに
捕獲されてしまいましたね」
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小林 |
「今日は大丈夫や。
やつの名前は
雁高男(かりたかお)。
HDDを今までにない分野に
応用する研究をしとる。
おっ、来たな」
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雁高男 |
「やあ」
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小林 |
「どやった?」
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雁高男 |
「実験に参加してくれた人に
来てもらったよ」
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北小岩 |
「どんな実験なのですか」
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雁高男 |
「イチモツに
HDDを搭載するんだよ。
すると、女といいことをした
気持ちよさが、
すべてHDDに
記憶されるというわけだ」
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北小岩 |
「そうなのでございますか!
気持ちよさを何度も何度も
反芻できるのですね。
こちらが試された方ですか。
いかがでしたか」
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被験
者男 |
「それがね」
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北小岩 |
「お顔が青ざめて
いるようですが」
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被験
者男 |
「最初は調子よかったんだけど、
途中で元気がなくなり、
そのまま中折れしてしまって」
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北小岩 |
「それは一大事でございます」
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被験
者男 |
「困ったことに、
ちんちんのHDDが
中折れを記憶してしまい、
それでちんちんだけではなく
HDDまで調子悪くなって。
消すことができなく
なったんだよ」
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小林&
北小岩 |
「・・・」
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HDD、SSD・・・。
記憶装置はこれからさらに
進歩していくことでしょう。
しかし、己のイチモツは
進歩に追いついておりません。
それゆえシンポではなく、
チンポと呼ばれるのかもしれませんね。 |