「頼むよ」
「かしこまりました!」
シュッシュッ
凄まじい手さばきの男。
シュッシュッシュッ
「相変わらずいい感じだね」
「ありがとうございます!」
ピッカピカ〜
「できました!」
「じゃあこれ。チップもはずんどいたよ」
「またお願いいたします!」
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小林 |
「見たか」
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北小岩 |
「はい。
あれほどの靴磨きの腕があれば、
一生困りませんね」
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小林 |
「二人でヤツの弟子に
してもらうのもええな」
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北小岩 |
「わたくしたち、
下手するとこの先
餓死してしまうかもしれません。
手に職をつけておきたいところです」
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それが二カ月前。
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小林 |
「近頃
あのカリスマ靴磨きの姿を
見とらんな」
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北小岩 |
「弟子入りし損ねましたね」
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小林 |
「むっ!
前から来るカップルの
男の股間を見てみい」
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北小岩 |
「かぐや姫が入っている
竹のように、
光り輝いております。
あそこには何があるのでしょうか」
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小林 |
「間違いなく
ちんちんやろな」
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北小岩 |
「やはりおちんちんが
お光りなのですね!」
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カップルの話に耳を傾けてみよう。
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女 |
「ユウスケの股間キレイ!
ピカピカに輝いてる!!」
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ユウスケ |
「そうだろ」
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女 |
「惚れなおしちゃうわ!
いったいどうしたの?」
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ユウスケ |
「ちん磨きに
磨いてもらったんだ」
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女 |
「ちん磨き?
そんな人いるの?」
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ユウスケ |
「ああ!
信じられない腕なんだ。
二カ月前まで
靴磨きをしていたらしいよ」
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先生と弟子は
稲妻に打たれたような衝撃を受けた。
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小林 |
「俺たちの師匠候補は、
今はちんちんを磨いとるんや」
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北小岩 |
「そうなのですね」
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小林 |
「弟子入りの件どうする?」
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北小岩 |
「しばらく様子をみましょう」
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靴磨き名人から、ちん磨き名人へ。
その存在は気になるところではありますが、
ほとんどの人にとっては
どうでもいいことですね。 |