キラキラ〜
|
北小岩 |
「やっと
夏らしい天気になりましたね」
|
小林 |
「そやな。
美女たちが
全裸で行水しているところを
想像するのに、
ぴったりの日やな」
|
二人はゆっくりまぶたを閉じた。
ばたばた〜
静寂を破ったのは、一羽の鳩だった。
|
小林 |
「口元を見てみい」
|
北小岩 |
「パンティを
くわえております」」
|
小林 |
「町の長老の伝書鳩やな」
|
ぽとっ
鳩が上空からパンティを落とした。
|
北小岩 |
「デリケートゾーンの部分に
何か書かれております」
|
小林 |
「こ汚い字で『来い』と。
しゃあない」
|
師弟が長老の棲む祠に到着すると、
氏はウハウハ言いながら
エロ本のページをめくっていた。
|
北小岩 |
「長老様、
いかがなされましたか」
|
町の長老 |
「来たか。
お前ら溜まり場のことを
知っとるか」
|
北小岩 |
「存じません」
|
町の長老 |
「屁をこいたら、
その臭いはどうなる」
|
北小岩 |
「しばらく空中に滞在しますが、
そのうちに消えてしまいます」
|
町の長老 |
「喝〜っ!
甘いな。
屁が消えることなどない。
それは未来永劫、
溜まり場に蓄積される」
|
北小岩 |
「そうなのでございますか!
しかし、溜まり場というものは
見たことも聞いたことも
ございません」
|
町の長老 |
「69年ごとの
持ち回りになっとってな。
場所は秘密厳守。
今年は我が町も対象となり、
俺が推薦しといたわ」
|
小林 |
「いずこに?」
|
町の長老 |
「お前の家だ」
|
小林 |
「げげっ!」
|
師弟は全速力で家に引き返した。
|
北小岩 |
「どういうことでしょうか」
|
小林 |
「俺にもよくわからん」
|
北小岩 |
「戸を開けてみましょう」
|
ぶ〜 ぶ〜 ぶ〜 ぶ〜
もわもわもわ〜〜〜〜〜
|
北小岩 |
「うわ!
家の中が腐った屁の臭いで
充満しております」
|
小林 |
「うう、息ができん!!」
|
二人の血中屁濃度はマックスとなり、
意識を失った。
先生宅は今年、
屁の溜まり場になってしまった。
屁は消えてしまったわけではなく、
どこかに移動し存在している。
当然のことのような気もするが、
間違っているような気もする。
|