すーっ
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北小岩 |
「気持ちのいい風が
吹いてまいります。
こんな日は、
お庭でふるチンで
横になるに限ります」
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すーっすーっ
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北小岩 |
「蒸れている金の玉下を、
風が撫でていきます」
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びゅっ き〜ん!
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北小岩 |
「痛いでございます!
何かが生の金玉に
ぶつかりました!!」
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近所の
ガキ |
「ごめんなさい!」
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近所のガキたちが
なぜか地球儀でドッジボールをしていて、
先生宅の塀を越え
流れ弾が玉に当たったのである。
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小林 |
「玉に玉をくっつけて、
何しとるんや」
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北小岩 |
「地球が金玉に」
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小林 |
「地球がか・・・」
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北小岩 |
「どうされましたか」
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小林 |
「俺の知り合いに
地球学者がおるんやが、
この間女風呂をのぞこうとして
鉢合わせしたんや」
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北小岩 |
「それが地球と
どう関係するのですか」
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小林 |
「異変が起きとるらしい。
聞きに行くか」
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師弟が地球学者の家に到着すると、
学者は女風呂を不可抗力でのぞいてしまったと
見せかけるために
30メートルの竹馬を作っていた。
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小林 |
「そんな長いブツで
乗れるんかい」
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地球
学者 |
「先生じゃないですか。
階段状になっているから
上まで登れるんですよ。
女風呂の窓がどれだけ高くても、
インポが。
いえ、インポッシブルが
なくなりました」
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小林 |
「竹馬は今度借りるとして、
この間俺に話した地球のことを
弟子にも話してくれんか」
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地球
学者 |
「あのことですね。
地球はもともと、
宇宙ちんちんと呼ばれる
星の中にあったんです。
金玉の片方です」
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北小岩 |
「そうなのですか!」
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地球
学者 |
「ええ。
宇宙ちんちんは
大きくなったり
小さくなったりしながら、
女星にちょっかいを
出したりして、
愉快に暮らしていたんです」
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北小岩 |
「初めて聞きました」
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地球
学者 |
「ところがある日
玉袋が破れ、
地球(金玉の片方)が
物凄い勢いで
ぶっ飛んではぐれてしまった」
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北小岩 |
「げげっ!」
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地球
学者 |
「それから46億年の間、
地球は太陽の周りを
ぐるぐる回りながら
ちんちん星を探しているのです」
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北小岩 |
「気の遠くなるような
お話ですね」
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地球
学者 |
「さすがに
地球(金玉の片方)も、
ここを回り続けていても
会えないことに気づき、
太陽系を出て
ちんちん星の玉袋の中に
戻る旅を始めようと
考えているようなのです」
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北小岩 |
「そんなことになったら
大変でございます!
人類は滅んでしまうかも
しれません!!」
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地球
学者 |
「地球が金玉である影響なのか、
そこに住む者たちは
やたらと交尾する。
不必要な交尾も際限なくする。
地球自身が
お楽しみできないのに、
その上に乗ってるやつらが
気持ちいいことばかりを
しているのは許せない。
人類のことなど
考えないでしょう」
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北小岩 |
「・・・」
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地球が元の位置に戻ってしまったら、
人類は滅亡してしまうかもしれません。
地球=金玉が、
子種をつくるところだったとしてもです。 |