KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百四拾弐・・・月

ぴか〜

小林 「月が出とるな。
 月を見ると頭の中に
 『月の砂漠』のメロディーが
 流れるな」
北小岩 「先生の性体験が
 砂漠だからでは
 ないでしょうか」
小林 「近頃俺も達観してきて、
 それぐらいのことでは
 般若の形相にならんわ。
 お前は何が浮かぶんや」
北小岩 「『月とすっぽんぽん』ですね」
小林 「月光に照らされて
 青白く輝く女体やな。
 お前もいいとこつくように
 なったな」
北小岩 「ありがとうございます」

まったくいいとこなどついていないであろう。

小林 「俺の知り合いの天文学者が、
 月に関する
 今世紀最大の発見を
 したらしいんや。
 聞きにいこうか」

二人はちん棒を月に向け、
狼男のように「わお〜ん!」と叫んで
天文学者の家に向かった。

小林 「今日は絶好の観測日和や。
 ヤツの家の二階には
 ボロボロの物干し場があり、
 そこが観測所や」
北小岩 「今頃望遠鏡をのぞきこんで、
 熱心に観察されて
 いるのでしょうね」
小林 「あそこや」
北小岩 「むっ!
 のぞきこんでいるのは
 確かですが、
 望遠鏡が変な方を
 向いております」
小林 「おい!」
天文
学者
「おお! 先生。
 ここからいい感じで、
 女風呂がのぞけるんだよ」
北小岩 「・・・」


天文学者はよだれをぬぐいながら、
物干し場からおりてきた。

北小岩 「あなた様は
 月に関する偉大な発見をしたと
 うかがったのですが」
天文
学者
「月のすぐ後ろに何があるか。
 隠れてしまって見えないだろ」
北小岩 「それをご覧になったのですか」
天文
学者
「月が油断している隙に、
 後方が見えたんだよ」
北小岩 「えっ?
 どんなものがあるのですか」
天文
学者
「月の向こうには
 『月のもの』があるんだよ」
北小岩 「月のものって何ですか!」
天文
学者
「ひと月に一回
 赤い色になる衛星だよ」
小林 「それは秘すべきもんやが、
 知った以上
 誰かに教えてやらんとな」

ざっざっ

小林 「塾帰りの中坊たちや。
 お前ら月の裏側に
 どんな衛星があるか
 知っとるか」
中坊 「知らないな。
 何があるの?」
小林 「『月のもの』があるんや」
中坊 「えっ!」
北小岩 「月に一回赤く」

だだだだっ

ガッ!ガッ!

キ〜ン!!キ〜ン!!

小林 「うう!
 俺たちの金星が攻撃を受けた」
お仕置
き隊A
「お前らのは金星じゃなくて、
 腐った金メッキ玉なんだよ」
お仕置
き隊B
「私たちの大切な子どもに、
 何くだらねえこと
 吹き込んでるんだよ」
北小岩 「月のものが」
お仕置
き隊A
「月のものだと?
 その苦しさは
 お前らにはわからないだろ」
お仕置
き隊B
「わからすために
 毎月第4日曜に、
 こいつらの金玉を
 100回蹴り上げることにしよう!」
お仕置
き隊A
「名案ね!」


お仕置き隊のメンバーは、
金玉空手の有段者ぞろいだ。
師弟の金玉が年を越せるのか。
越せなくてもいい気もします。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2020-11-22-SUN

BACK
戻る