ぴか〜
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小林 |
「月が出とるな。
月を見ると頭の中に
『月の砂漠』のメロディーが
流れるな」
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北小岩 |
「先生の性体験が
砂漠だからでは
ないでしょうか」
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小林 |
「近頃俺も達観してきて、
それぐらいのことでは
般若の形相にならんわ。
お前は何が浮かぶんや」
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北小岩 |
「『月とすっぽんぽん』ですね」
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小林 |
「月光に照らされて
青白く輝く女体やな。
お前もいいとこつくように
なったな」
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北小岩 |
「ありがとうございます」
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まったくいいとこなどついていないであろう。
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小林 |
「俺の知り合いの天文学者が、
月に関する
今世紀最大の発見を
したらしいんや。
聞きにいこうか」
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二人はちん棒を月に向け、
狼男のように「わお〜ん!」と叫んで
天文学者の家に向かった。
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小林 |
「今日は絶好の観測日和や。
ヤツの家の二階には
ボロボロの物干し場があり、
そこが観測所や」
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北小岩 |
「今頃望遠鏡をのぞきこんで、
熱心に観察されて
いるのでしょうね」
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小林 |
「あそこや」
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北小岩 |
「むっ!
のぞきこんでいるのは
確かですが、
望遠鏡が変な方を
向いております」
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小林 |
「おい!」
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天文
学者 |
「おお! 先生。
ここからいい感じで、
女風呂がのぞけるんだよ」
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北小岩 |
「・・・」
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天文学者はよだれをぬぐいながら、
物干し場からおりてきた。
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北小岩 |
「あなた様は
月に関する偉大な発見をしたと
うかがったのですが」
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天文
学者 |
「月のすぐ後ろに何があるか。
隠れてしまって見えないだろ」
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北小岩 |
「それをご覧になったのですか」
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天文
学者 |
「月が油断している隙に、
後方が見えたんだよ」
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北小岩 |
「えっ?
どんなものがあるのですか」
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天文
学者 |
「月の向こうには
『月のもの』があるんだよ」
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北小岩 |
「月のものって何ですか!」
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天文
学者 |
「ひと月に一回
赤い色になる衛星だよ」
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小林 |
「それは秘すべきもんやが、
知った以上
誰かに教えてやらんとな」
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ざっざっ
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小林 |
「塾帰りの中坊たちや。
お前ら月の裏側に
どんな衛星があるか
知っとるか」
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中坊 |
「知らないな。
何があるの?」
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小林 |
「『月のもの』があるんや」
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中坊 |
「えっ!」
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北小岩 |
「月に一回赤く」
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だだだだっ
ガッ!ガッ!
キ〜ン!!キ〜ン!!
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小林 |
「うう!
俺たちの金星が攻撃を受けた」
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お仕置
き隊A |
「お前らのは金星じゃなくて、
腐った金メッキ玉なんだよ」
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お仕置
き隊B |
「私たちの大切な子どもに、
何くだらねえこと
吹き込んでるんだよ」
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北小岩 |
「月のものが」
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お仕置
き隊A |
「月のものだと?
その苦しさは
お前らにはわからないだろ」
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お仕置
き隊B |
「わからすために
毎月第4日曜に、
こいつらの金玉を
100回蹴り上げることにしよう!」
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お仕置
き隊A |
「名案ね!」
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お仕置き隊のメンバーは、
金玉空手の有段者ぞろいだ。
師弟の金玉が年を越せるのか。
越せなくてもいい気もします。 |