とんとん かんかん
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北小岩 |
「大きな建物を
つくっているようです。
何が建つかご存知ですか」
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小林 |
「町の予算の
ほとんどを使った
プロジェクトらしい」
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北小岩 |
「それだけの予算を
使うということは、
社会福祉に関する
建物でしょうか」
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小林 |
「福祉は福祉でも、
この町の女だけを対象にした
福祉や」
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北小岩 |
「そうなのですか。
どのようなものが」
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小林 |
「この町の女しか入れない
無料の豪華風呂や。
議会で決まったらしい」
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北小岩 |
「男性の町会議員は
反対しなかったのですか」
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小林 |
「男は全員
金玉拳法の有段者に
金的を蹴られ、激痛のあまり
飛び跳ねている状態が
賛成の挙手とみなされ、
全会一致で採決されたそうや」
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北小岩 |
「ともかく
できたら見に行きましょう」
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それから3カ月後。
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小林 |
「煙突がたくさんあるな」
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北小岩 |
「流れるお風呂があったり、
心地よいサウナをつくったり
したのですかね」
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小林 |
「わからんな。
むっ、あそこを見てみい」
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北小岩 |
「露天風呂の塀のつくりが
甘くなっております」
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小林 |
「もうすぐオープンや。
あの丘の上からのぞけるな」
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北小岩 |
「そうでございますね!
わたくしたちを
見くびってもらっては
困ります」
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小林 |
「カリ首ってもらっても困るな」
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小林&
北小岩 |
「あははははははは」
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二人が双眼鏡を持って丘に行くと、
すでにどスケベが五人陣取っていた。
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小林 |
「さすがやな」
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♪パンティティティ〜ン
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小林 |
「ついに開館や」
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七人のスケベ足軽が、
各自手にした双眼鏡をのぞく。
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北小岩 |
「全裸の女性が
見放題です!」
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小林 |
「どれどれ。
むむっ、
あれは全裸のマネキンや!!」
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「スリー、ツー、ワン、ゼロ!
発射!!」
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北小岩 |
「どこからか
カウントダウンが聞こえました。
何かが打ち上げられたようです」
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小林 |
「煙突が7本、
ロケットみたいに
こっちに向かってくる。
みんな逃げるんや!」
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ど〜ん! ど〜ん! ど〜ん! ど〜ん!
ど〜ん! ど〜ん! ど〜ん!
どスケベ七人衆は
別々の方向に散ったのであるが、
それぞれの上に煙突が落ちて
中に閉じ込められてしまった。
「切り離しGO!」
女性の声が響く。
どっ! どっ! どっ! どっ!
どっ! どっ! どっ!
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北小岩 |
「真っ暗闇で
見えないのですが、
この臭いからすると
大量の糞が
頭上から降っているようです!」
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べちょ! べちょ! べちょ! べちょ!
べちょ! べちょ! べちょ!
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小林&
北小岩 |
「うお〜〜〜!」
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予算の大半は、風呂よりも
どスケベ撃退煙突ロケットの開発に
使われたらしい。
相変わらず変な町である。 |