小林 |
「今年の三大ニュースはなんや」
|
北小岩 |
「まずは先週の四町交流会です。
前方の町代表の屁泡を
吸い込んでしまい、
危うく溺死しそうになりました」
|
小林 |
「腐ったマグマのような
屁やったな」
|
北小岩 |
「それから先々週。
丘の上から女湯を
のぞいておりましたら
煙突ロケットを発射され、
中に閉じ込められて
糞の豪雨に見舞われました」
|
小林 |
「現代の地獄絵図やったな」
|
これ以上聞くのは時間の無駄なので、
先へ進めよう。
|
北小岩 |
「先生はいかがですか?」
|
小林 |
「まさに今が一大ニュースや。
町の男たちに
怪奇現象が起こっとるんや」
|
北小岩 |
「と申しますと」
|
小林 |
「今日、
怪奇現象にあった奴らを
フォローする会がある。
行ってみるか」
|
プッ プッ プッ プッ プッ
プッ プッ プッ プッ プッ
師弟は今にも放射されそうな屁を
肛門の開閉で調整。
10分割して放出し会場へ向かった。
|
北小岩 |
「何人かいらっしゃいますね。
うかがってみましょう。
怪奇現象にあわれて
お取り込み中のところ、
大変申し訳ございません。
どのようなことに
遭遇されたのですか?」
|
男A |
「コタツに入って
エロビデオを観ていたんだよ」
|
北小岩 |
「はい」
|
男A |
「しばらくしたら
金玉が動きだしてね」
|
北小岩 |
「えっ?」
|
男A |
「突然玉が割れて、
中からヒナが出てきたんだよ。
コタツで玉があたためられて、
金玉が孵化したんだ」
|
北小岩 |
「なんと!」
|
男B |
「僕もコタツに入って
エロ万華鏡をのぞいていた時、
金玉がかえって
ヒナが二匹生まれたよ」
|
北小岩 |
「そうなのですか!
どんな様子なのですか」
|
男A |
「僕も二匹なんだけど、
一匹が『た』と言うと
もう一匹が『ま』と言って」
|
男B |
「二匹合わせて
『たま』『たま』
『たま』『たま』と
泣くんだよ」
|
男A |
「女からは
カワイイと言われるんだけど」
|
北小岩 |
「今までの金玉と新しい金玉。
四つの玉を持つことに
なるのですね。
将来が楽しみですね!」
|
男B |
「そうじゃないんだよ」
|
男A |
「今まであった場所には、
玉が無くなってるんだよ」
|
男B |
「つまり俺たち、
今、玉無しなんだよ」
|
北小岩 |
「げげっ!」
|
男A |
「二匹を大切に育てなければ、
一生玉無しに
なってしまうかもしれない」
|
男B |
「それ以上に、
金玉の子どもが
愛しくてたまらないんだ」
|
男A |
「自分の命よりも
この子たちが大事だ!」
|
男B |
「自分がどうなろうとも
懸命に育てあげよう!!」
|
男たちは手を握り合い、
その目にはうっすら涙が光っていた。
「パチ! パチ! パチ! パチ!」
たまたま会場に来ていた
子育て中のおかあさん方が、
うなずきながらあたたかい拍手を贈る。
男たちは本気で育てなければならない状況になって
初めて、子どもを育てるおかあさんの気持ちが
心の底から理解できたのである。 |